2018年12月10日
NY市場株価変動が異常だ。
先週木曜日はファーウェイショックで午前中ダウ平均が700ドル超急落したが、午後は利上げ後退観測で急速に回復。結局78ドル高で引けた。
やれやれも束の間。金曜日には寄り付き後こそ100ドル超上昇したが、その後一転急落を再開。終わってみれば558ドル安であった。特に雇用統計が悪いわけでもない。テレビにカドロー国家経済会議委員長が生出演して、米中協議に関し楽観的な発言をすれば、株価が上昇。1時間ほど後に対中強硬派のナバロ氏が「90日で結果が出なければ25%関税。」と語れば、たちまち売られる。
異常なボラティリティーに海千山千のヘッジファンドの間でも模様眺めを決め込み、キャッシュポジションを増やす傾向が顕著だ。
NY金もこの異常な市場環境ゆえ1250ドルをつけた。
オーソドックスに安全資産として買われている。筆者の見方も1200ドル割れは中期的底値圏下値確認中として強気だったが、売りポジションの買戻しが一巡する1250ドル超では強気ではない。
ウォールストリートジャーナル紙は、トランプ大統領が執務室で経済テレビをつけっぱなしで株価に釘付けと報道する。変動の度に側近にその理由を問うと言う。
株価上昇を自らの手柄としてきただけに、おそらくパウエル議長と利上げが悪いと責任転嫁するだろう。あるいは下院過半数の民主党が株価乱高下の元凶とツイートするかもしれない。
一方、利上げ関連ではブラード・セントルイス連銀総裁が「逆イールド発生により12月利上げを1月に延期」に言及した。来年からは全てのFOMC後に記者会見が開催されるので、1月FOMCでも利上げがありうるのだ。具体的に利上げ先延ばしを語ったのはFOMC参加者で初めてゆえ注目された。この発言後12月利上げ確率が83%から73%前後まで下がっている。12月利上げは市場にほぼ織り込まれたゆえ、その利上げ「無し」の確率が25%ほどに上がってくると市場は神経質になる。疑心暗鬼になったマーケットでは、FRBがなにか重大な事実を握っているのではないかとの観測さえ流れる。パウエル議長の発言が180度転換するには何か裏があるのではと勘繰るのだ。
仮に利上げが見送られればポジションが一気に巻き戻され、ドル急落、円高進行は避けられまい。利上げを嫌うNY株価も金も急伸しよう。
週末にこれまで噂の段階であったケリー首席補佐官更迭など一連のトランプ政権内新人事が確認された。これも週末のヘッジファンドたちとの定例電話会議で不安材料視されていた。今朝のNYダウ先物も200ドルほど急落している。なお筆者の友人ジム・ロジャーズ氏も「さすがに異常な市場の地合いに株保有を控えているが、もし買いに回れば米国株より日本株のほうがマシ。」と語っている。
なお、ファーウェイ副会長兼CFO逮捕事件が思わぬ展開を見せている。米国企業幹部の相次ぐ中国出張キャンセルだ。市場ではこの逮捕、身柄引き渡し要求が「中国がアップルCFOを第三国で逮捕して中国へ引き渡しを要求するようなもの」と例えられる。中国側も報復措置をほのめかしている。
なお、この議論で引き合いに出されるのが「日産ゴーン元会長みたいな事例もあるし」。
思わぬ余波が生じている。
さて、夏になったり雪が降ったり日本中異常気象。
我が家の庭でも白椿が狂い咲き!
私が最近朝一で見るのがNY市場価格より越後湯沢地区天気予報、積雪量。
週末寒波で多少増えたかもしれないが、暖冬傾向で今週末待望のガーラ湯沢オープンが危ぶまれる。スキーフリークとしてはNY市場より気になる(笑)。 もうガーラ湯沢季節ロッカーは予約済で用意は万端なのだが。。。