豊島逸夫の手帖

2017年5月22日

先週金曜日のＮＹ市場で、トランプ政権のロシア癒着疑惑に関する新たな報道が流れた。

ひとつはワシントンポスト紙で、トランプ大統領に最も近い高級官僚に捜査が及ぶという記事。娘婿のクシュナー氏などの名前が噂されるが特定はできない。今回は重要参考人として、直接事情聴取もあるといわれる。中東など初の外遊中のトランプ大統領も気が気ではあるまい。勿論、ホワイトハウスは報道を否定している。

次にニューヨークタイムズ紙報道。トランプ大統領が、ホワイトハウス内での訪問中のロシア外相一行との会話で「コミーＦＢＩ長官をクビにしたよ。彼はクレージーで変人だ。これで私への捜査の圧力もなくなる。」などと語った会話記録がリークされたという。

なにやらリーク合戦の様相だ。政権内部に不満分子が多く、情報を漏らすのだろう。

この報道が流れた直後、ＮＹ市場では円が１１１．４０から１１１．１０まで急騰した。ＮＹ株も上昇中だったダウ平均が頭を打たれ４０ドルほど下げた。金も４ドルほど上げている。

まだまだリークやスクープが続き、市場が振りまわされそう。

それから話題は変わるけど、ビットコインが新高値をつけた話。金の史上最高値より高くなったとかいう記事があったけど、あの比較は全く意味がないね。日経平均とダウ平均の数字を比較するようなもの。ビットコインの一単位は金の１トロイオンスとは異次元の数字なのだから。

ただ、今回の上げが中国と日本発であることは事実。

金とビットコインの比較は、価値の交換手段としてはビットコインが優れているが、価値の保存手段としては金に軍配があがる。それぞれメリットデメリットあるね。

そして、今日の写真はお馴染み、京都祇園の「らく山」で初物の鮎と鱧。鮎は三重。鱧は徳島。分厚い鱧に山菜を乗せた一品が秀逸だった。鮎はまだ５月で全く期待していなかったので、望外の喜び！