2017年1月24日
トランプ政権初日、早くもマーケットはトランプ相場第二幕を迎えた。
米国製造業CEOたちとの対話で、「日本は自動車輸入に規制を課している。これはフェアではない。」
と述べた。自由(free)貿易を否定しないが公平(fair)でなければならない、との主張である。
安倍首相がトランプタワーに国家トップとして一番乗りしたものの、政権始動初日に日本とて容赦せずとの意思表示は、トランプ相場のハネムーン期間終焉を告げる象徴的出来事であった。
更に、追い打ちを駆けるごとく、外電がムニューチン財務長官の「短期的には強すぎるドルが経済にマイナスの影響を与えることも時折ある。」との議会への書式回答を報じた。議会公聴会では、「長期的にドル高が望ましい。」と発言していたが、短期的にはドル相場動向についてコメントすることは控えると語っていた。それゆえ、サプライズ感があった。
結果的に、ドルインデックスは心理的水準とされる100を割り込んだ。一時は103を大きく上回っていただけに、超ドル高一巡の印象を与えている。
ドル安で金は堅調。
ここからは、大型インフラ投資のドル金利押し上げ要因と、保護主義が内包する自国通貨安バイアス、そして、ドル高の企業業績への影響を考慮しつつ、ドル相場の落としどころを探る段階に入る。ドル高の輸入物価押し下げ要因も、消費者は歓迎だが、FRBにとっては、インフレ率低下要因となり悩ましいところだ。
陶酔感から覚め、トランプ氏の日々の仕事ぶりや発言を市場は冷静に吟味することになろう。
一般教書、予算教書が発表される2月3月までは、様々な憶測も流れよう。
イエレンFRB議長の利上げについての発言からも目が離せない。
日本株相場は、トランプ・ハネムーン相場で、大幅な円安の恩恵を受けた。これは、第二幕入りするにあたり、ハンディキャップを貰った状態といえる。その一部が剥落したわけだが、それでも、トランプ氏当選前に比し、相当な円安メリットを享受している。それゆえ、いきなり株高が崩れるわけではない。但し、トランプ政権の夢から現実への移行の過程は、第一幕より長い持久戦となりそうだ。
さて、今日の写真は、切ない話。中国で奨孝金支給。親孝行奨励金。施設の老父母を子供が訪問すると100元のクーポンが貰える。子供の訪問が3倍に増えたそうな。施設の人からクーポンを貰って満面の笑みをうかべる娘の表情が印象的。中国の高齢化を象徴するシーン。