豊島逸夫の手帖

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上海株に異変

2017年11月24日

昨日、上海株が3%近く急落。今日は、ややもち合い。何やら中国の株式市場がきな臭い。

5年に一度の共産党大会が終わり、権力集中を進める習近平政権のもとで、経済成長より構造改革を優先されれば景況感悪化は避けられない。金融部門ではシャドーバンク(影の銀行)への規制を強め、金融「引き締め」というより「締め付け」を強化する姿勢が見える。今週水曜日にも消費者金融規制強化が発表された矢先のことだ。

今回の震源地は中国債券市場。中国国債10年ものの利回りが4%前後に急上昇した。中国の公的と民間の累積債務問題に対する懸念が国債売りの背景にある。

債券が売られ信用不安が生じ株式市場にも飛び火して株も売られる展開だ。株式・債券市場から逃げ出したマネーの行く先は限られている。不動産はバブルで荒れている。理財商品には破たん危機が付きまとう。このような市場環境では相対的に金市場が逃避マネーの受け皿として浮上する。

なお、今年中国株は上昇基調だったので、利益確定売りが集中したとの見方もある。

来週の上海株式市場を注視したい。

2017年