豊島逸夫の手帖

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能天気な日本市場

2017年9月20日

国連でトランプ大統領が「挑発が続けば、北朝鮮を完全に破壊する。」「北朝鮮のロケットマンは自殺行為に動いている。」と演説。欧米市場では、この北朝鮮関連発言がトップニュースになっている時、当事国日本の株式市場は「解散!選挙は買い!」と囃し、急騰に酔っている。この解散報道を受けた日経平均急上昇は欧米市場では完璧にスル―。報道もされないし話題にもならない。例えばFT紙では「日本の株価は円安を受け2万円台を回復した。以上」との記載。解散への言及はなし。

欧米市場のマーケット関連報道はFOMC一色だ。

日本市場は相変わらず「井の中の蛙」。日本人として情けなかった。

「選挙は買い」という相場格言にしても、今回ばかりは北朝鮮問題という過去に例を見ないリスクにさらされている状況で、これまでの「実績」が何の意味を持つのか。結局、証券会社の煽り・囃しだ。まぁこんなことを書くものだから、証券会社アナリストの間では私は厄介者・嫌われ者になったのだろう。先日もテレビ番組で某大手証券会社のアナリストとエレベーター・控室で一緒になり、私の方から「こんにちは、今日はよろしく。」と挨拶したら、無言で無視。その人がスタジオで本番になったら、見事に変身してにこやかな顔で話していた。

断っておくが、私は円安派で日本株にも強気だ。しかし、大義不明の解散で株が買われるという日本ローカルな事象にはついてゆけない。グローバルな視点が欠如している。

話題はガラッと変わって、トイザラス倒産。

同社は勿論「おもちゃ屋さん」だが、主力製品は「紙おむつ」だった。定期的に紙おむつを買いに来るファミリー相手におもちゃを売ってきた。ところが、その(かさばる)紙おむつがアマゾンなどネット販売・宅配に食われて売れなくなった。しかも、子供たちも今や従来型のおもちゃで遊ぶというより、ネット・ゲームに興じている。肝心のおもちゃもネット販売に負けている。

なんとも時代の流れを感じる事例だ。

さて、明日はいよいよFOMC。

徹夜覚悟で寝溜めだ~~。

2017年