豊島逸夫の手帖

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トランプ政権、早くも辞職者出るか

2017年2月14日


フリン国家安全保障担当大統領補佐官が、就任前に、ロシアの駐米大使と接触。トランプ政権になったら、ロシアへの経済制裁を撤回する、と語っていたとの報道が流れ、どうなるかと思って見ていたら、フリン氏が政権内で「謝罪」した。「不適当な接触」であり、当初、1
回だけと言っていたが、複数回会っていたことを認めたのだ。

これはスキャンダル。

トランプ大統領も苦しい選択を迫られる。

フリン氏を切るか、否か。

当面、フリン氏に厳しい措置は控えているようだが、このままでは、共和党内でも批判が出よう。

lose-loseの決断となる。

それにしても、商務長官も財務長官もまだ議会承認が得られず、要職が空席となっている状況で、初の辞職者が出てしまうことは、なんとも間が悪いね。


いっぽう、昨日は、トランプ大統領がカナダのトルドー首相とホワイトハウスで会談して注目された。

カナダに対してもメキシコ同様に辛くあたるのか、どうなのか見守っていたが、記者会見は安倍首相の時と同じで、非常に「大統領らしく」振る舞い、努めて友好的態度を貫いていた。

米国の南の国境と北の国境では、扱いが全く異なるようだ。

カナダとは歴史的文化的に常に「米国の大切な隣人」として接してきた。経済的にも相互交流が深い。「同志」として、事を荒立てるつもりはないようだ。「先週は安倍首相、今週はトルドー首相。友好国のミスター・プライム・ミニスターをホワイトハウスに招き、個人的関係を築くことができた。」と上機嫌の様子。さすがにNAFTA(北米自由貿易協定)について記者団から突っ込まれると、話題をそらせていたけどね。トルドー首相も、「賛成できかねることもある。」と明確に一線を画した。

トルドー首相といえば、イケメンで、G7で来日したときも、プライベートに奥さんと二人で手を繋いで散歩する光景が「格好いい」と話題になったものだ。


総じて、トランプ政権も現実路線を採り始めた。対中国では「ひとつの中国政策」を容認。日本・カナダとは選挙運動中の過激発言を封印して、現実路線。トランプ政権も、徐々に、寛容性を表わしてきたようだ。

そして、いわゆる「トランプリスク」の懸念が薄れてくると、金は売られる。限定的な下げだけどね。

2017年