豊島逸夫の手帖

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アベリスクも浮上

2017年3月2日

今朝はFRBブレイナード理事が講演で利上げ容認を示唆した。ハト派ゆえ、ダドリーNY連銀総裁に比べれば、慎重な言い回しである。低金利は続き、利上げペースも緩やかながらも、 経済が過渡期にあり、利上げの環境が整いつつあるとの論旨だ。

この発言で円は114円台にのせる局面もあった。

トランプ議会演説が市場をかく乱することなく、地区連銀総裁の3月利上げに関する発言が相次ぎ、NY株は急騰。日本株には追い風が吹いてきた。

海外勢の動きだがヘッジファンドたちと話すと、米国株中心の運用だが、欧州リスクで欧州株が買いにくいので、日本株も「悪くない」との反応が目立つ。米国株急騰で心理的余裕ができて、「エキゾチック」な日本株も選択肢として考慮できるようだ。ただ、アベリスクとして、大阪の小学校問題が、欧米でもかなり報道されているので、日本株のセールスポイントである「政権安定度」がやや揺らいでいる。

そして、注目は、ずばり、フランス。

フランス大統領選挙、中道・右派候補フィヨン氏の妻の公金不正受給が大きなスキャンダルと化している。同氏自身が、17日の立候補締め切り直前の15日に司法当局に召喚されることを認め、「政治的暗殺」と司法への抵抗姿勢をあらわにした。これに対し、批判が集中して、フィヨン氏側近が相次いで辞任している。そこで、漁夫の利を得るのが、マクロン独立系候補と極右政党・国民戦線ルペン党首だ。最新のフィガロ紙による支持率世論調査ではルペン氏27%、マクロン氏25%、フィヨン氏19%となっている。ルペン氏対マクロン氏の一騎打ちになりそうな形勢で、最終的にはマクロン氏有利とみられているが、昨年、英国EU離脱、トランプ氏当選を外したトラウマが払しょくできず、市場の不安感が強まりそうだ。

更に、15日にはオランダ総選挙が行われ、ここでも、"オランダのトランプ"といわれるウィルダース候補が属する極右政党が第一党にのし上がる可能性が強まっている。

そこで市場の反応として、リスクオフの円・金買いが顕在化するシナリオが無視できない。

2017年