豊島逸夫の手帖

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米軍、シリア基地ピンポイント空爆

2017年4月7日

金曜の昼前に、突然この報道が入ってきた。

サリンなどの化学兵器をアサド側が空から落とし、子供や赤ちゃんまでが死亡・負傷という悲惨な展開に対し、トランプ大統領が「人道的見地」から軍事介入を決断した。

その基地にはロシア人もいたらしい。

一応ロシア含め関係国には事前通告していたという。

あくまで基地のピンポイント攻撃で今回だけとしている。

しかし、人道的見地から介入がキッカケでズルズル長期戦に巻き込まれるケースは少なくない。

問題はアサド政権を支援しているロシア側の反応。そしてイランも。プーチン大統領とトランプ大統領は当初、接近するのでは、と思われていたが、ロシア側の大統領選挙介入疑惑などで疎遠になりかけていた矢先。プーチン大統領と親しいといわれるティラーソン国務長官も、厳しい口調でロシアに批判的な態度になった。米ロの関係が再び悪化するキッカケとなりかねない。そこで、漁夫の利を得るのはISだ。

いっぽう、トランプ大統領はフロリダで習近平国家主席と会談・会食をしている最中の出来事。というか、トランプ氏はこのタイミングで敢えて決行したのかも。北朝鮮問題に対し、中国が傍観するなら我々だけで単独行動する、と語っていた。そこで、シリアに対して単独攻撃に出たことで、習近平主席に「このとおり私は本気です。北朝鮮にも単独行動辞さずですよ。」と伝えたかったのだろう。さて、中国側はどう動くか。人道的には許すまじ、との姿勢をとるだろうけどね。そこで、人道的見地から米中が協調するというシナリオもある。

さて、市場への影響だが、米中会談中、雇用統計前という微妙なタイミング。

有事の金が買われ1260ドル台突破。原油も買われた。そして有事の円も買われた。

通常、有事の買いは一過性で終わる。

しかし、今回はロシア・サンクトペテルブルクやロンドンのテロ事件が相次ぎ、地政学的リスクが連続して起こっている。

金に関しては、反落しても下がったところは買われそうだ。

それから、明日土曜日朝9時半、ABC朝日放送にまた生出演。「正義のミカタ」。(東海地区はメ~テレ、北陸地区は北陸朝日放送)

今回は「東芝問題」を私流に語る。

2017年