豊島逸夫の手帖

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切迫ロシアゲート、日銀発円安を帳消し、金も急騰

2017年7月21日


今週に入り、トランプリスクに市場が反応している。金融政策関連の材料とのせめぎ合いの様相だ。


昨日は日銀金融政策決定会合で円安、ECB理事会でユーロ高、そして、トランプ氏個人ビジネスへの新捜査情報(ブルームバーグ報道)で円高ドル安と目まぐるしい展開であった。

トランプリスクに関しては、18日にもオバマケア撤廃と代替法案の議会採決断念で、ドル安円高に振れた事例があったばかりだ。
市場は既にトランプリスクに慣れてしまい反応薄になっていた。しかし、今週は流石にただならぬ雰囲気を感じ取っているようにも見える。


昨晩はECB理事会後の記者会見でのドラギ発言を受け、その真意を測りかねた市場が最初はユーロ安、その後ユーロ高と目まぐるしく乱高下した。その直後、ロシアゲート関連の新情報が流れ、想定外のタイミングゆえ、市場も更に動揺したわけだ。

そのブルームバーグ報道の内容は多岐にわたるが、まず今や年齢的にも政権内で重鎮扱いのロス商務長官が、キプロスの銀行の副会長を務めた職歴が捜査対象になっていることが目を引く。キプロスはロシアマネーのマネーロンダリングの温床として頻繁に名前が挙がるからだ。ロス商務長官は米中経済対話で米国側交渉担当として注目されたばかりなので、同氏の名前がロシアゲート関連で飛び出すと市場への印象度は強い。


2013年のミス・ユニバース・コンテストに関しても、モスクワの不動産開発業者がライセンスフィーを支払い、その一部がトランプ氏側に流れたとされる。更に、その業者の家族がトランプ氏の長男とロシア人弁護士とのミーティングに関与していたと報道された。

そのイベントではトランプ氏がロシア最大の銀行の最高幹部と接触したという。
他にも不動産ビジネス関連などで新情報があった。

この報道を受けNY株式市場では、ダウ平均がまたもやフラッシュ・クラッシュ的な瞬間的乱高下を演じた。外為市場では円相場が112.20円台から一気に111.50円台まで円高に振れた。日銀金融政策決定会合後の円安をロシアゲート関連情報が帳消しにした形である。


金価格も下のグラフで鮮明に出ているが、報道直後1238ドルから1247ドルまで急騰している。


2626a.jpgこの種の報道に対して、市場はこれまで個別に特に強い反応は示さなかっただけに潮目の変化が感じられる。
来週24日のクシュナー上級顧問と26日のトランプ・ジュニア氏の上院議会証言では、市場もかなり強く反応する可能性があるので要注意だ。


夏休み前で通常は商い薄のマーケットだが、来週はFOMCも控えており、今回ばかりは市場も身構えざるを得ない。


今日の写真は、最近はまっているローソンの糖質制限パン。良く売れているらしく、朝寄ると山積みになってるが、夜寄るともう棚が空っぽ。地方出張してもホテルで「低糖質パン」がメニューに並ぶ時代。他にも、低糖質プリンとか「水羊羹」などなど(笑)。
糖質ゼロ・サイダーもいいよ。
食前には「青汁」飲むしね~~。


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2017年