豊島逸夫の手帖

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日本は北朝鮮一色、でもNYでは「他人事?」

2017年5月2日


来る日も来る日も日本のメディアは北朝鮮関連報道が圧倒的。一触即発の切迫感に満ちている。
ところがNY市場では、市場の不安感を示すVIX指数(通称、恐怖指数)は十数年ぶりに10の大台を割り込んだ。つまり、NY市場では地政学的リスクが後退しているわけだ。

半島有事といっても所詮地球の裏側の話。日本にとっての中東問題のごとき扱いである。先週日曜日に「Meet the Press」という米日曜1時間報道番組(なんと70年の長寿番組)を見ていたのだが、ついに「北朝鮮」関連報道はなかった。専ら、メキシコとの壁の予算、医療保険改革、そしてトランプ減税の話題ばかり。日本のメディアはトランプ語録から、特に北朝鮮関連だけを切り取って報道する傾向がある。NY市場では地政学的リスクとしては陳腐化しつつある。こう書くと口に泡飛ばして、とんでもない、けしからん、これは世界を揺るがす大問題だという声も聞こえてこよう。私もそう思うよ。でも市場の反応は冷ややかなものだ。米朝が声を荒げ罵り合い、はたまたトランプ大統領は金正恩氏と会って話すことは光栄だと言ってみたり、この程度のことでは市場はもはや動かない。


フランス大統領選挙もあれだけ(私も)大騒ぎしたけれど、マクロン勝利をマーケットは決め込み材料視しなくなった。昨年英国EU離脱、トランプ勝利の2回大きく外したトラウマはあるが、フランスにはサプライズはなさそうという読みが圧倒的だ。(といいつつ、今週土曜日のABC朝日放送「正義のミカタ」で仏大統領選挙解説の予定。)


代わって米国金融政策が6月利上げを控え、メインの材料になりつつある。雇用統計を含め日々発表される米国マクロ経済データがあまり芳しくなくても、6月利上げを覆すほどの影響はなさそうとの見方だ。特にトランプ大統領が「私は低金利を好む。」と発言したことで、イエレンFRB議長としては意地でも利上げせざるを得ない。ここで利上げを先送りしたらFRBの政治的中立性が疑われてしまう。ただでさえFOMC参加者が徐々にトランプ色に染まってゆく過程にある。
FRBバランスシート縮小の問題は本欄4月6日付け「減税期待後退、引き締め警戒先行の市場」で詳述した。


金市場に関しては「有事の金」相場のピークが視野に入り、代わって売り材料として利上げが台頭している。当面頭は重そう。
ちなみに今朝の日経朝刊商品面に金関連記事あり(先週取材された)。私だけ1250ドルとか言って弱気コメント~。
なお、ワイルドカードは原油安。
生産国減産協定が6か月の期限切れ。これが延長されるか。
原油価格が45ドルまで下げるようだと株安、リスクオフで金が買われるシナリオになる。同じコモディティのセクターでも原油と金では値動きが異なるのだ。
私は原油に関しては一貫して弱気論者。まず生産国の申告生産量が信用できない。しかもスンニ派サウジとシーア派イランが仲良く協調することなどあり得ない。更に生産国減産協定に肝心の米国が入っていない。
というわけで、日本は連休中だけれど世界は動いている。


そんななか、洗足池イタリアン「マガーリ」に行ってきたよ。郡上八幡から直送の山菜の数々。イタリアンの山菜もいいね!シェフのセンスが光る。


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そして蛍イカのジェノベーゼソースパスタ。これが絶品!


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そして好物、仔牛のミラノ風カツレツ。


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私も厳しい糖質制限を緩め、徐々に一般食に復帰(笑)。 痩せすぎも良くないのでね。但しスイーツだけは食べていない。そういえばスペインで財政赤字対策として、糖質を含む飲料には増税という話もあるよ。よろしいんじゃないでしょうか~。
ちなみに、私は顔がまたふっくらしてきたけどズボンはダボダボだから、糖質制限って私は遺伝性血糖値対策だけど、ウエストを細くするという下心持つ人には効くよ(笑)!体重というのは少なすぎても困るし多すぎても困るし、なかなか良いバランスは難しいね。

2017年