2017年4月4日
サンクトペテルブルク地下鉄爆発事件の第一報が入るや、NY金価格が1246ドル台から1254ドルまでの急騰を見せた。近年、有事に金市場は反応薄になり、欧州での相次ぐテロ事件でも殆ど動かなかった。そもそも、しかも金市場内部では、買いを膨らませていた投機筋が売り手仕舞いの機会を模索する局面で、高値警戒感も根強かった。
それゆえ、昨日の有事の金買いは、市場がロシア発地政学的リスクを特に重く受け止めていることを映す現象だ。
特に、サンクトペテルブルクの事件が「テロ行為」と見做され、パリなどで地下鉄駅での警戒が強化されたことが「欧州への飛び火」を連想させている。4~5月の市場で最大イベントとされる「フランス大統領選挙」でも、ルペン候補に追い風となりそうだ。プーチン大統領もルペン候補と直接会談するなど支持を表明している。それゆえ、国内デモで顕在化しつつある反プーチン運動の標的にもなりやすい。
ロンドンにもテロ事件の余韻が強く残る。
更に、地政学的リスクとして朝鮮半島有事の可能性も見逃せない。
FT紙でのインタビューで、トランプ大統領が「中国が動かずば、米国が単独で動く。」と発言したことで「有事モード」が強まった矢先の出来事でもあった。
英、仏、露での切迫したテロ脅威に北朝鮮リスクが加わり、地政学的リスクが複合的に共振してきた。
世界の投資マネーが、安全資産とされる米国債市場にも逃避し始めたことは、ドル金利低下を通じてドル安要因となり、金買いを刺激する面もある。6月利上げを阻む要因ともなりうる。そして「有事の円買い」の兆候も見られる。
なお、トランプ大統領が娘婿クシュナー氏に、習近平主席訪米の受け入れ側担当、イラク電撃訪問など中東担当、そしてホワイトハウス内新設組織で行革担当を同時に命じたことが、金市場でも不安要因として論じられている。国務省、国防省の動きと平行して、身内として信頼の厚いクシュナー氏を「チェスのコマ」のごとく使っていることに、地政学的問題への対応リスクを感じとっているのだ。
いっぽうで、対テロを錦の御旗にトランプ大統領とプーチン大統領が接近するシナリオも考えられる。とはいえ、トランプ政権が大統領選挙などでのロシアとの関係を取り沙汰されていることも事実だ。両者が協調路線といっても同床異夢となる可能性が強い。
一般的に「有事の金」は一過性ゆえ、筆者は有事の金と囃されるときは要注意と説いてきた。とはいえ、ここまで視界不良が進行する4~5月相場では、反落しても下値は限定的である。
ところで、最近は「糖質制限」がブームらしいね。世離れしている私は自分がトレンドの先端にいるとは知らなかったよ(笑)。もっぱら減量が目的らしいけど、私は血糖値下げが目標。だから鮨屋では貝などを食べている。炭水化物のシャリは極小!写真は日経の「交遊抄」でも紹介した、行きつけの御茶ノ水駅前の「誠鮨」にて。ネタも新鮮、雰囲気も上品だけど気取らず、板さんとの会話にも笑いが絶えない。コスパも良い。
いざ糖質制限を始めて新たに知ったことも多い。大好物の蕎麦は血糖値上昇が速く、かつ丼より悪いことは衝撃。たしかに蕎麦はゆっくり食べるのではなく「たぐる」ものだしね。これも好物のきりたんぽ鍋140グラムの糖質が70グラム。対して牛リブロース90グラムのすき焼きの糖質が14グラム。ガーン!キリタンポはお米だからね。
そんなわけでパン、ご飯、特に麺類には注意しています。
おかげでスキーでカラダの動きが良いね~。