豊島逸夫の手帖

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金価格見通し

2017年9月6日

今朝の日経朝刊商品面に金価格展望インタビュー記事が載っています。

強気派トムソン・ロイターGFMS社キャメロン・アレキサンダー氏、見出し「株から資金シフトし上昇」

弱気派豊島逸夫氏(笑)「ドル高で年末にかけ下落」

まぁ、何を言っているかは記事を読んでください。

正確に言えば、ドル建て金価格は下げ、でも年末118円の円安を予想しているので、円建て金価格は上げの見通しなのですけどね。国際金価格の展望なので、こういう見出しになりました。

その記事には載らなかったけれど、インタビューで強調したことが中国・インドの現物需要です。

1300ドルの大台を超えてからは、上海・ムンバイ・ドバイなど主要現物市場は閑古鳥が鳴いています。値が高いから誰も買いに来ない。逆に売り戻す客の方が多かったりする。それでもNY金が急騰しているのは先物主導だからです。ということは、いずれ先物買いが売り戻されるのは必定。

1300ドル割って、1250ドル近くになれば、現物需要も戻ると思います。

今や有事の金買いも「ネット売買」ですからね。回転も速いですよ。でも、中国・インドの現物購入は、文化的金選好度の高さを背景に長期保有。しかも「有事だから金を買う」のではなく「平時から家族のために金を人生の節目に買い増してゆく」のです。

彼らの買いは徹底した安値拾い。高値では見向きもしません。イエレンさんが何を言おうと、トランプさんが何をしようと、北朝鮮がどうなろうと関係ない。それより家族への愛情が金買いを支えるわけです。

こういう買いは強いですよ。だから、株と違って、買い手がいなくなり、いきなり値が半分になるとか、紙くず同然になるなどということは「絶対に」ありません。敢えて「絶対」と言い切ります。

但し、有事の金買いは買い急いではいけないということは昨日書きました。

2017年