豊島逸夫の手帖

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トランプ氏・ロシアゲート再燃

2017年10月31日


ロシアゲート捜査のため大きな権限を与えられたモラー特別検察官(日本流に言えば鬼検事)と20名の気鋭弁護士集団が、遂に牙をむき始めた。昨年の大統領選でトランプ陣営の選対会長を務めたマナフォート氏を起訴に踏み切ったのだ。この問題の勘所は「共謀」と「妨害」。
つまり、トランプ陣営とロシア政府に「共謀」があったか。そしてトランプ氏に本件捜査に対する妨害の意図があったか。
はっきり言ってマナフォート氏は小物。まずは彼からジックリ事情聴取して、何らかの新たな情報を得ようとの思惑が透ける。影の大物、例えば娘婿のクシュナー氏は本当にシロなのか。


そして別件だが、ロシア政府の米国大統領選に対する世論操作を狙ったフェイスブックへの投稿に、閲覧がなんと1億2600万以上あった可能性をフェイスブックが米議会へ報告へ、とワシントンポスト報道。
何やら、きな臭いね。
マーケットもロシアゲート再燃を嫌って、市場のセンチメントが悪化。NY株は売られNY金が買われた。

更に、市場注目のトランプ減税法案について、下院では「5年間に亘り段階的に導入phase-in」という折衷案を提案とのブルームバーグ報道にもマーケットが揺れた。これでは中味が薄まってしまう。満額回答でなくともいいとさえ思っていた市場だが、これではさすがに失望。これでドル安・金高。


そしていよいよ次期FRB人事発表が11月2日に。パウエル氏本命と相次ぐ報道。これもパウエル氏は利上げ急がぬハト派ゆえ、ドル安・金高要因。
金高と言っても1260ドル台から1270ドル台に戻した程度だけどね。売り一巡のタイミングでもあった。
金は世界を映す鏡と言われるけど、本当に様々な事象が集約されている。

2017年