2017年1月6日
新年に入り、金・プラチナともに連騰中。
超ドル高の巻き戻しに尽きる。ドルインデックスも103台で頭が重くなり、102の大台攻防。
トランプ時代に金は上がらないというという弱気説が多かったけど、やはり1130ドル前後が底値圏だったね。
私の金の今年の見通しは、明日土曜日の日経朝刊マーケット面に、大ぶりに出る予定。
そして以下は株為替の話。
外為市場で115円台まで円高が進行するなかで、トランプ次期大統領がトヨタ自動車のメキシコ生産を批判した。
本日発表の雇用統計、そして11日のトランプ氏記者会見を控え、ヘッジファンドは膨らんだドル買いポジションの手仕舞いを急いでいる。
トランプ相場の第一幕「ハネムーン」が一区切りを迎えつつあるようだ。
長期的上昇相場形成の観点では、「健全な調整局面入り」といえる。
逆に急激な円安株高が続けば、後の反動が激しくなり、逆V字型のバブル相場に終わりがちなものだ。
トランプ氏のトヨタ批判は大文字で「NO WAY!」(あり得ない!)とかビッグ(big)な関税をかける、など、次期大統領発言とは思えない言い回しだ。日本企業を標的というより、メキシコで製造して米国で売る企業には国籍を問わず、懲罰的行動に出ることを想起させる。トランプ氏経済政策の負の面があらわになってきた。正月の御祝儀気分のなかで急騰した株式市場は、冷や水で酔いを覚まされた感がある。
いっぽう、昨日からの円高ドル安の背景には、人民元不安の影がちらつく。
中国からのマネー流出が加速するなかで、中国人民銀行は、投機的に人民元を売る動きを阻止するため、敢えて人民元が買われる(そしてドルが売られる)状況に市場を誘導せざるを得ない。そこまでして、人民元の乱高下を防がねばならないところに、危うい綱渡りを強いられる中国人民銀行の苦悩が透ける。昨年の人民元安に発する世界株安とは異なる市場の景色だが、今年も中国リスクが無視できない。
皮肉なことに、トランプ氏が、中国を為替操作国と非難するとき、人民元安誘導を念頭に置いてきたわけだが、現状は、人民元高誘導による「為替操作疑惑」となっている。
今後は、ドル高の米国企業業績への悪影響が市場では精査され、トランプ氏の反応にも注目が集まることになろう。
FRBが年3回利上げしても米国経済は耐えうるか、との疑問も注目される。市場には、せいぜい2回程度との見方も多い。回数が減れば、ドル安円高要因となる。この点に関しては、本欄1月5日付け「2017年政治・経済・マネー展望」を参照されたい。
なお、債券市場では、債券から株へ「グレート・ローテーション」の掛け声の下で売られてきた米国債が、特に先物市場で買い戻されている。
商品市場では、トランプ時代には売りとされていた金が、新年に入り3日連騰している。
マクロで市場を俯瞰すれば、マーケットの潮目に変化が見られる。
まだ、正月も松の内だが、荒れる2017年相場の予告編を見せられた感がある。
なお、近畿、中京、北陸地区の皆さん。明日土曜日朝9時半から朝日放送系(名古屋は、メ~テレ)の90分情報番組「正義のミカタ」に生出演します。米利上げやらトランポノミクスについて、吉本芸人や関ジャニ∞たちに説明する奮戦ぶり(笑)をご覧くださいww