豊島逸夫の手帖

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待ったなしの地政学的リスク

2017年1月13日

トランプ氏記者会見は、世界中のメディアで大不評。大統領選勝利演説のときの意外な大統領らしさは見られず、選挙運動中のトランプ氏そのままの、不寛容且つ過激発言ばかりが目立った。本当にこの人を信じられるのか、という不安感だけが残った。

特にロシアンスキャンダルが最もホットな話題。

「もし、プーチン氏が私を好きなら、私は、それを、負債ではなく資産とみなす。」

トランプ次期大統領は、記者会見でこう言い放った。

ハッキングへのロシア介入は認めつつ、親ロ姿勢を見せたトランプ氏に、就任後、いきなり踏絵が待ち受けている。

それはポーランド情勢。

嫌ロに徹したオバマ大統領が、冷戦終結後最大規模と言われる米軍地上部隊をポーランドに投入を決定。12日に、同部隊がポーランドに到着して歓迎式典が開催されたのだ。

ロシア側は当然、「脅威」として反発している。

この緊迫した状況を20日には次期大統領が引き継ぐことになる。

「米国は世界の警察ではない。」と語ってきたトランプ氏が対NATO、対ロシア外交姿勢の本気度を言葉ではなく行動で示さねばならない。

次期国防長官に指名されたマティス氏(別名狂犬マティス)は、元NATO最高司令官。指名承認のための上院公聴会でも、早速、トランプ氏発言との見解の相違を突かれた。

「ロシアと協調も結構だ。しかし、現実は直視せねばならない。協調できる分野は減り、対決せねばならない分野は増えている。トランプ氏とも議論した。彼はオープンで私の意見にも耳を傾けてくれた。」と語っている。

いっぽう、エクソンモービルCEO時代にプーチン氏と親しかったティラーソン次期国務長官は、議会公聴会で、「ロシアは世界の舞台での尊敬を求めているが、最近の行動は米国国益を無視している。」と語った。「NATO同盟国が警戒するのは当然で、経済制裁は続けるべき。」とも述べている。

プーチン氏への融和姿勢をちらつかせるトランプ氏との間で、微妙な不協和音とも聞こえる発言だ。

ここで、トランプ氏が、ポーランドの米国地上軍隊を引き揚げれば「ロシア・スキャンダルを配慮した決断」とも取られかねない。政権内の亀裂も意識されよう。

同部隊は、来月、バルト3国や近隣東欧国に移動して合同演習の予定という。トランプ氏に待ったなしの状況である。

市場では、南沙、北朝鮮問題も切迫した地政学的リスクとされるが、特に欧米市場では、このNATO問題がトランプ外交の試金石として注目されている。

金市場は特に地政学的要因に敏感だ。トランプ政権下では、様々な地政学的リスクが待ち構えている。

そして、今日の旨い物写真。

富山のハンターから届いた鴨。食べたら、中に、小さな弾が入っていて、歯に当たった。本当に野生の味。北近江とは、また一味違う鴨だったよ。歯ごたえがあって旨い。

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それから、かぶら蒸し。そのまま食べてよし、かきまぜて食べてもよし。これを食べないと冬と言う気にならない(笑)。

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最後は、身が厚い笹鰈。チーズ入り干し柿添え。松葉には黒い味噌。これを舐めながら食する。私は酒飲まないが、のんべぇには、たまらんらしい(笑)。

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2017年