豊島逸夫の手帖

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日米欧ともに政治相場、ほくそえむ中国

2017年3月24日

日本市場は大阪の小学校問題一色。

米国市場はオバマケア(医療改革)のトランプ版=トランプケアが難産。共和党内で意見が分かれ議会承認に手間取っている。昨晩もスパイサー報道官が毎日恒例の記者会見で「大丈夫、今日通ります!」と自信満々に語り、NY株式市場は好感して上がっていた。ところが、2時間後大引け前になって、今日の議会通過は無理、来週にずれこみそう、と情勢が一変。株は売られた。まさに政治相場。

NY市場はワシントンでの成り行きに釘づけ。東京市場は永田町からのテレビ生中継に釘づけ。

欧州はいよいよ英国のEU離脱告知。そして5月には離脱交渉が始まる。EUも強硬姿勢だ。「手切れ金」として約7兆円払え、と迫っている。2020年度までのEU予算には英国が拠出をコミットしているから2019年、2020年分は払え。EU共同で始めたプロジェクトについては、途中で足抜けしても払うものは払え。そしてEU職員の年金につき、英国がEUに加盟していた過去44年分については相応の負担をせよ。これは果たして法律的拘束力はあるのか、との議論が英国側では高まる。前途多難だね。

日米欧のバタバタゴタゴタをほくそ笑んで見ているのが中国。

今朝の中国の新聞を読んでいても話題はまず李首相のオーストラリア訪問。この際、親米の国をとりこんでしまおうとの意図が透ける。「中国は保護主義に断固反対!自由貿易を守る!」と連呼。

次に、中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)に、新たにカナダ・香港・ベルギー・ハンガリー・アイルランド・ペルーなど13か国が加盟。これで70か国となり日米主導のアジア開発銀行(ADB)の67か国を上回る。G7でAIIB参加を見送っているのは日米だけになった。

そして、習近平主席がエリザベス女王にテロお見舞いのメッセージを送った。

着々と存在感を高めているね。

なお、金については、今朝(金曜日)の日経朝刊商品面に大ぶりの金関連記事あり。私のコメントは(FRBが6月に利上げするとの観測は金価格の下落材料だが)「5月までは市場の金買い意欲は強い。」

ちなみに、先週の日経記事でのコメントは(利上げイベント終わり)「1200ドルを大きく下回るシナリオは後退した。」「オランダ下院選は欧州リスクの前座にすぎない。フランスの大統領選が本丸だ。」

それから、今朝(金曜日)の読売朝刊に「トランプ時代、金市場に異変が」と題して書いたよ。

さて、個人的には血糖値が上がってスイーツが食べられず、スーパーで買う食べ物といえばこんなものばかり(泣)。スキー@ガーラ湯沢とゴルフ@川奈でうさ晴らし(笑)。

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2017年