豊島逸夫の手帖

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ジム・ロジャーズ氏のこと

2017年9月14日

皆さんはジム・ロジャーズという名前を聞いたことがありますか?世界的に「投資の神様」と言われるくらい名の通ったカリスマです。日本でも投資家の間では人気が非常に高く、来日して講演すると参加費が90万円!!でも多数来場するほどです。でも例えば、普段「資産」などには縁遠い人たちが集まる資産運用セミナーなどで会場の参加者に「ジム・ロジャーズ」と言っても「知らない」という方々が多いですね。ちなみに彼は「金大好き人間」としても知られています。「投資の神様」御年74歳が、最後に辿りついた究極の資産は金というわけです。説得力がありますね。私は8年前にテレビ対談を通じて知り合いになり、今ではファーストネームで呼び合える親しい仲になりました。日経CNBCでは私と彼の対談放映が恒例行事となっています。

彼は「私が買う金は全て二人の娘のため。だから数十年は保有し続けるつもりだ。君!10年後20年後には、金の価格がとてつもなく上がっていると私は確信しているのだよ。」と笑い飛ばして言ってのけます。「でも私は半年とか一年後の金価格予測は聞かれてもやらない。なぜなら、しょっちゅう外すから。そんなことは日経に出るコメンテーターにでも聞け(笑)。長期の価格上昇には自信を持っているけれど、投機筋が短期的にどう動くかなど、プロの私でも見当がつかないことが多いものさ。」とも語ります。

それにしても古希を過ぎた大御所の娘さんたちの年齢はまだ10歳台前半ですよ。孫ではないのです。元気ですねぇ。私などはジェラシーさえ感じます(笑)。

そんなジム・ロジャーズ氏の経歴を改めてご紹介しておきましょう。

米国の田舎アラバマ州育ち。NYに「上京」して金融街で下積み生活を経験した後、縁あってもう一人のカリスマ投資家ジョージ・ソロス氏と共同で初の「ヘッジファンド」という資産運用会社を設立。これが大当たりして一躍世界の注目を浴びることになったのです。その後の彼の決断も語り草になっています。即、米国を捨てシンガポールに一家で移住したのですから。その理由は「娘たちを中国語のインターナショナルスクールに通わせ中国語を習得させたい」から。バブルとか色々言われますが、長期的に中国が経済大国になることを確信しているのです。そして金の世界で中国と言えば、需要も生産も世界ランク一位。最近は個人だけでなく、中国人民銀行も外貨準備として金を買い増しているほど。ここにも彼が金保有を勧める理由があるのでしょうね。

世界の投資の神様も金に関して短期的動向を読むことは難しく、結局まとめ買いせず「地味に」数十年かけて娘のために「貯めて」ゆく。「儲ける」売買のカリスマの金言ゆえ、個人にも響くのです。

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2017年