豊島逸夫の手帖

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シュガーハイ相場

2017年3月29日


長期停滞論を唱える経済学者ローレンス・サマーズ氏は、トランプラリーを「シュガーハイ相場=血糖値が上がって興奮する状況」と断じた。
たしかに血糖値が低いとアニマルスピリッツ(動物的本性)が覚醒されないものだ。筆者も講演前にはケーキを食して血糖値を上げてからステージに立つ。
深夜、NY市場が荒れるとこれまた、アニマルスピリッツが刺激されアドレナリンが出てしまう。夜中の3時に脂っこいラーメンが無性に食べたくなり、環七沿いのタクシー運転手さんたちご用達のラーメン店にふらりと行くこともある(笑)。
そもそも、酒を断っているのでスイーツ系に走るようになった。毎食後コンビニで大福だのチョコパフェだの「デザート」を欠かさない習慣がついた。
そんな生活をおくっていたら、血液検査で高血糖値を指摘・警告されるに至った。ショック!運動はスキーやらゴルフやらいろいろやっているから、エネルギー消費は充分と思っていたのに。結局、父からの遺伝だった。


やはり血糖値が高い状態が続くと副作用が不可避のようだ。
今のトランプ相場も、まさにシュガーハイの合併症を患っているようだ。
相場にもカロリー制限食のごとき節制が必要な時期なのだろう。
市場参加者も「糖質制限」すべし(笑)。


それにしても糖質制限って意識し始めると、へぇーと思うことが多いね。
大好きな蕎麦やパスタは、血糖値が上がるのが早いから要注意とか、葛切もカロリーが高いとか。かえって肉の赤身のほうがマシだとか。フィレ肉でも和牛100gのカロリーが230Kcalで、輸入牛のカロリーは130Kcalと、かなり違うとか。要は、和牛はサシが入っているから旨いのだね。鮨屋でも、シャリ極小で頼むようになった。


ただでさえガリガリに痩せすぎなのに、更に体重が減ってしまった。普通の人はオーバーウェイトで悩むのに、私はアンダーウェイトが悩み。これも母からの遺伝。糖質制限になる前に、ゴルフの飛距離伸ばすために体重つけたくても、1Kg体重増やすのが大変だった。羨ましいとか言われるけど、こっちは体重ある人が羨ましいよ。世の中なかなかうまくいかないものだね~~。


というわけで、シュガーハイの対極にあるストイックな生活をおくっておりまする。まぁ、どのみち仕事が御用繁多ゆえ、諦めもつくけどねぇ(笑)。
救いは、どこでもネット環境が良ければ働けることかな。
ウォール街のど真ん中でも、都市インフラが古くネット環境の劣悪なビルのレストランなどで食事をすると情報の孤島に置かれる。帰国してガーラ湯沢でスキーしていると、ネット環境が完璧でリアルタイムでNYから情報がバンバン入る。いまや「どこで働くか」など問題じゃないよ。ただ、4個持ちしているので充電の奴隷(笑)。新幹線も古い車両だと、15Cの席の下には清掃用のコンセントがあるからそこを座席予約するとか、しょうもない情報だけは豊富だよ。ルーターのバッテリーが切れたり、機材そのものを置き忘れたりすることもしばしば。家を出るときは指差呼称で一個一個確認してます~。

2017年