豊島逸夫の手帖

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FRB新理事候補は金本位制復帰論者

2017年2月17日

現在、FRBの二つの副議長職の1つと理事2つの計3ポストが空席となっている。更に、来年にはイエレン議長とフィッシャー副議長が任期満了となる。従って、5つのポストについて、トランプ氏の政治的意向が反映された人事となる可能性がある。

色々な候補者の名前が挙がっているが、その一人がエコノミストのジュディー・シェルトン女史。選挙中、トランプ陣営のアドバイザーを務めていた。

基本的に、今のFRB金融政策には批判的で、金本位制を論じている人物だ。

通貨への信認が薄れており、世界共通の価値が認められている金を、なんらかの形で使うべきとの考えで、厳密な意味で金本位制への本格復帰を説いているわけではない。しかし、金廃貨には反対なのだ。

筆者は、現代に金本位制などあり得ない、との立場ゆえ、冷めた目で見ている。景気が悪くなっても、通貨供給を弾力的に増やせない金本位制は、致命的欠点がある。いっぽう、金保有量以上に通貨を発行できないので、通貨乱発のリスクは抑えられるが。シェルトン氏の議論も、その点を強調している。

トランプ氏のことゆえ、なにがあっても、驚かない(笑)けれど、実現性はないね。ただ、通貨乱発への警鐘としては聴くべき点はある。トランプ氏がツイッターで「金本位制も悪くない。」くらいの呟きはありうるかも。

2017年