2017年7月27日
欧州発、電気自動車シフト。フランス、イギリスと相次いで2040年までにガソリン車やディーゼル車の販売全面禁止へ動く。次はドイツか。「脱石油」が世界の潮流になりつつある。背景は勿論、大気汚染、地球温暖化の懸念。インド、中国も巻き込み「脱ディーゼル車、ガソリン車ドミノ」とも言われる連鎖現象だ。当然日本とて例外ではない。
国際エネルギー機関(IEA)によると、16年のEVなどの新車販売は75万台超。20年には2千万台、25年では7千万台と予測している。
これは長期的にプラチナ・パラジウム需要には見逃せない問題。
電気自動車席巻予測はかねてから語られてきて新鮮味は無いが、具体性を帯びてきたと言える。
但し、直ぐに影響を与えるような材料ではなく、10年、20年先の予測に関わる問題だ。
次はFOMC関連。
昨日の円安反転を7月FOMC声明が瞬間的に打ち砕いた。
文面からハト派的トーンを読み取った市場はドル売り・円買いに転じたのだ。円は急騰。FOMC声明直前には112円台をつけていた円相場が声明直後には111円台前半になった。金価格は上昇して1250ドル台。
仮に「比較的すぐに」9月にも資産圧縮を発表して10月に開始しても、その規模は極めて限定的だ。しかも、資産圧縮と利上げの同時実施はオーバーキル(締めすぎ)リスクがあるので利上げは後回しになる。その時期は12月が最も有力だが、伸び悩むインフレ率が足を引っ張れば実現性には疑問符もつく。
そうなると、市場では「利上げ執行猶予」が長引くとの見方が勢いを得る。
債券市場でも米国10年債が買われ、利回りは声明文発表を挟み、2.32%台から2.28%前後まで急落した。
利上げ執行まで未だ4か月あるいはそれ以上あれば、流動性相場に乗ってヘッジファンドも2~3回は急ぎ働きが出来る。
決算シーズン真っ只中のNY株式市場では、ダウ平均、SP500、ナスダックが史上最高値更新の揃い踏みとなった。
外為市場では、先週は米国政治要因がドル安円高を誘発する事例が相次いだ。今週は米国金融政策要因がドル安円高を誘発している。
ヘッジファンドの中でも超短期売買に徹するCTA(商品投資顧問)が動いている。同じヘッジファンドでも中期的な世界経済政治情勢を睨み売買するグローバル・マクロ系は、夏休みモードに入っており大きな動きは見られない。円高に振れるといっても、早晩手仕舞われるは必至だろう。
但し、ロシアゲート捜査は夏休み返上で進行しそうだ。突発的米国政治リスクには注意が必要だ。