豊島逸夫の手帖

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トランプ予算案発表、セサミストリート存続の危機?

2017年3月17日

トランプ政権初の予算案骨子(2018年度)が発表された。米国の会計年度は10月から始まるので、ホンチャンの予算教書は5月くらいに出る見込み。今回発表の案は「たたき台」とでもいおうか。当然、各分野の利害がからむから、これが文字通り「叩かれ」ることになる。

今回の予算案の特徴は、なんといっても軍事優先。そのため他の部門は20%とか30%とかバッサリ削減。とはいえ社会保障費と退役軍人関連だけは、いじらない(減らさない)。

特に削減の対象になっているのが環境関連。

環境保護庁の職員をなんと3200人もリストラ。

温暖化対策も後退必至。私はよく冗談で「CO2とCOOは削減対象」などと言ってきたけど、CO2は放置だね~。

そして海外援助関係も、例えば国連への支出など大幅に削減。まさに、この予算案のタイトル「アメリカ・ファースト予算」どおりの内容だ。

米国が国内優先で海外援助を減らすと、結果的に新興国におカネをばらまいている中国の存在感が強まるは必至。

そして芸術文化関連予算も削られる。その対象に米国公共放送PBSの名前も見えるので、同局制作のセサミストリートのビッグバードたちも存在の危機になるかも。

それからメキシコとの国境の壁建設予算は、きっちり出る見込み。

なお、財政収支についてトランプ大統領の基本的考えは、規制緩和・大型減税で投資家や経営者のアニマルスピリッツを鼓舞して、経済成長3~4%を達成すれば自然に税収も増えるというもの。

そして保護主義の典型として国境調整税導入で輸入品に課税して、輸出品は非課税とする。この歳入増で財政はトントンに出来るという見込みだが、賛否両論渦巻き前途多難。

金価格が利上げ後も上がっている背景の一つとして、いずれ財政赤字不安が顕在化してドルが売られ、金が買われるとの読みも挙げられる。

なお、今日金曜日の日経朝刊商品面に、利上げ後金急騰の解説記事が大ぶりで載っている。

2017年