2017年5月8日
フランス大統領決戦投票結果は、市場が織り込んだ「マクロン勝利」となった。外為市場では選挙前にかけて、ユーロ買い・ドル売りトレードが膨らんでいた。その主役であるヘッジファンドは、今朝日曜夜出勤で東京市場を注意深く見守っている。彼らの次の一手は、更に対ドルでユーロ買いを続けるか、ユーロ・ドルの通貨ペアからドル・円に乗り換えるか、この選択に集約される。
ルペン候補大敗を見れば、EU不安に歯止めがかかるとの観測からユーロ楽観論が加速して、多くのファンドは更なるユーロ買いに走るかもしれない。しかし、極右候補が30%以上の支持を獲得した事実も重い。フランス国民が親EUを選択したゆえに、ISが存在感を強めるためにテロ攻勢を強化する懸念も残る。英国とEUの離脱交渉もEU側が「手切れ金」を釣り上げるなど、前途多難を予想させる展開だ。
そこで「噂で買ってニュースで売る」の常套手段で、ユーロ買いポジションを手仕舞う動きも見られる。
この場合、次の市場テーマはなんといっても米金融政策、特に6月利上げの有無、更に年内利上げ回数、FRBバランスシート縮小開始時期となる。ここからは強いドル買いのエネルギーが生じる。その反対取引で「売られる通貨」として選択されるのは「円」となる可能性も根強い。
特に足元の市場では地政学的リスクが後退気味だ。例えば有事の金買い相場は既にピークを過ぎて米利上げを睨み、金価格下落基調に転じている。
同時に有事の円買いも巻き戻されるであろう。
BISが発表する世界の外為取引量統計を見ても米ドル88%、ユーロ31%、円22%と主要3通貨のシェアが多い(2016年4月。通貨ペアで売買されるので全体は200%になる)。ユーロの次は円だ。
従って米利上げによるドル高、円安現象とリスクオフ円高の反動現象が共振すれば、115円の円安水準も現実的となろう。
そうなると日本株が2万円直前の「壁」を突破するキッカケにもなる。
それでも北朝鮮リスクは残るが、NY市場から見ると日本市場ほどの緊迫感は感じられない。長期化を見込んでいるようだ。市場の不安感を示すVIX指数も久しぶりに10の大台を一時割り込む局面があった。日本で感じる北朝鮮不安とはかなり温度差があるのだ。
世界のマネーの流れはユーロ主導からドル主導にシフトしつつある。その結果として海外市場で円と金が売られる展開が予想される。円建て金価格は逆に上げやすくなる。
さて、今日の写真は連休中に行った伊豆大仁ゴルフクラブから見た富士山。まるでお風呂屋さんの壁絵みたい。山の上なので富士山を見る位置も高いね。風が強く黄砂が凄かった。
そして、友人宅で茶摘みとか、タケノコ掘りとか、ミカン狩りとか。夕食に出た特大ワサビ。擦っても辛味よりワサビの旨みを感じるホンモノ。
山菜も季節で、おなじみ洗足池マガーリでエビと郡上八幡直送のこごみ、小豆菜、ウコギ、蕨、たらの芽、ふき、こしあぶら、などなど。このコラボがいい塩梅で旨かった。