豊島逸夫の手帖

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相次ぐロシア疑惑、トランプ大統領退陣説まで浮上

2017年5月17日

「トランプ大統領が、嫌気がさして、職を辞した場合に株は上がるか、下がるか。」

このような極論とも思われる議論が、NYのヘッジファンドの間で交わされている。相次ぐロシア関連の疑惑に、絵空事とは言えなくなってきたという。

高齢の富豪。自らがまさか当選するとは思わず、過激な公約を連発した。生来の我が儘ゆえ、嫌気がさして、開き直り、職を投げ出す可能性も無しとは言えないというわけだ。

筆者はさすがについてゆけないシナリオだが、実際に市場で語られるトピックになっているので「まさか」のテールリスクとして無視もできない。

16日にはニューヨークタイムズが、解任されたFBI長官がトランプ大統領との会話を逐次書き留めておいた「コミー・メモ」の存在を報じた。ロシアとの関係が疑われ職を解かれたフリン前大統領補佐官(国家安全保障担当)の捜査を打ち切るように当時のFBI長官コミー氏に依頼したとされるやりとりが生々しく記されている。

「フリン氏をお構いなしにしてほしい。彼はナイスガイだ。悪いことはしていない。」

コミー氏は捜査の件には触れず「彼がナイスガイであることは同感。」とだけ答えたとのことだ。

ホワイトハウス側は異例の速さで否定の声明を出している。

市場は「またか。次は何だ。」とばかりに食傷気味である。それがネガティブなセンチメント(雰囲気)となって市場を覆っている。欧州リスク後退で当面御用済みになったはずの「安全通貨」円や「安全資産」金が買い直され始めた。

外為市場ではドルインデックスがトランプ政権発足以来、最低の水準にまでドル安が進行している。冴えない米国経済マクロ指標が続き、6月利上げの確率も80%台から70%台にまで下がり米国発ドル安要因となっている。一方、フランス大統領選挙に続きドイツ地方選挙でもメルケル首相率いるCDU勝利が続き、EU楽観論台頭の中でユーロが買われた。そして、米国政治不安の中で円が買われ始めたわけだ。

ドル売り、ユーロ買い、円買いの三つのエネルギーがドル安を加速させている。

なお、トランプ大統領が漏えいしたとされるIS関連情報提供国は「イスラエル」と米NBC、NYタイムズが報じている。最初の外遊先に選んだ国を訪問する前に「うっかり」エラーが出たようにも見える。大統領の統治能力が懸念されるような報道である。

「もっと簡単だと思っていた。」

4月27日の外電とのインタビューで語った一言が印象に残る。

「以前の生活を愛していた。色んなことが出来た。前と比べて、仕事の量が多くなった。」

車の運転ができないのは寂しく「繭の中に閉じ込められたように感じることもある。」とまで語られると、なにやら後悔の念さえ滲む。

トランプ大統領の最大の敵は己なのかもしれない。

そして、今日の写真

糖質制限で炭水化物を摂らないと元気が出ないので、肉食に走っています(笑)。マガーリで食べた鹿児島産骨付き豚グリル、ミラノ風仔牛カツ、そして郡上八幡直送山菜と旬のアサリ。肉より蕎麦のほうが血糖値上がるのが速いというのは知らなかったな~~。てっきり蕎麦のほうがヘルシーだと思っていたよ。まぁ、肉だけでなく野菜も大量に摂取してバランスとっているけどね。マガーリゆくまえに、近くの自宅に寄って、ゴーヤやホウレンソウの茹でたのをタップリ食したよ~。

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2017年