豊島逸夫の手帖

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米老舗百貨店、株暴落劇

2017年5月12日


米国を代表する高級百貨店メイシーズの株価が昨日決算発表後、寄り付きからドカーンと15%も暴落しました。ネットショッピングに押され、9年連続の売り上げ減少傾向に歯止めがかかりません。アメリカ人の友人たちも老舗百貨店を覗くことはあっても、欲しい物はもっと安く他で買えると言います。不採算店舗の閉鎖を続けていますが次の展開が見えません。


一方、鳴り物入りでIPO(新規上場)したスナップ社の株価も20%を超す暴落。LINEみたいなメッセージ・チャットの会社です。1億6千万人のユーザーを持つとは言え、先行するフェイスブックやツイッターとの競争、特に広告収入増は厳しい状況。
オールドエコノミーのメイシーズ、ニューエコノミーのスナップの同時暴落。NY市場がきな臭くなってきました。


トランプ大統領のコミーFBI長官解任劇も全米に衝撃を与えて、市場にも「トランプ大統領の大型インフラ・減税案は大丈夫か?」との懸念が拡大しています。昨日はNBCとのインタビューでトランプ大統領が「コミー氏は目立ちたがり屋(showboat,grandstander)」と言い放ち「彼は私の政権でもFBI長官の職に留まりたくて来たのだよ。一緒に食事をして、私は捜査対象ではないと言った。」ことを明かしました。これって就活にきたコミー氏が「貴方は捜査しないから、よろしく。」と言ったように聞こえてしまいます。この事件は第二のウォーターゲートとなる可能性を秘めるので今後の展開に要注意ですね。ヒラリーさんは「コミー氏が大統領選挙直前に、あんな形で私用Eメール問題を蒸し返さなければ、私が勝っていたのに。」と不満タラタラ。まぁ私もそう思いますけどね。たしかにコミーさんは際どいタイミングで捜査していたので皆から注目された。本来FBIは捜査局ですから黒子役ですよね。自らが目立ってはいけない。


ところで、株価が一日で15%とか20%とか暴落していますが、金価格が一日で1200ドルが1000ドルに暴落することはまずあり得ません。相場に絶対はないから絶対ありえないとは断言しませんが、99.99%無い!
株は底抜けするが金は底抜けしない。
だから、安全資産と言われるのでしょうね。


最後に、米国を代表するアップル社の時価総額が8000億ドル(90兆円)の大台に乗ったというニュース。時価総額90兆円と言えば、日本ではトヨタ+NTTドコモ+NTT+三菱UFJ+ソフトバンク+KDDI+JT+ゆうちょ銀+日本郵政+三井住友FGに相当する。いやはや、日米株式市場の懐の深さの違いを見せつけられます。日本にアップルのようなモンスター企業が生まれる可能性はあるのかな~。

ちなみに、アップル+アルファベット(グーグル)+マイクロソフト+アマゾン+フェイスブック=日本企業上位100社時価総額という試算もあります~。

2017年