2017年10月30日
今日発売の週刊エコノミスト誌の特集は「危ない世界バブル」。
カバー記事冒頭では、
『「海外投資家の買い越しが3週連続で続いている。国際金融市場に詳しい豊島逸夫・豊島&アソシエイツ代表は「大金融緩和時代の終わりに日銀だけが金融緩和を続けているのは投資家にとって稀少価値があり、海外投資家が日本株を買っている」と分析する。
豊島氏は現在の日本の株式市場を、「根雪」と「新雪」に例える。根雪の部分は、日銀が上場投資信託(ETF)を年6兆円買い入れていることや米年金などの長期投資の資金が入っている一方、新雪はヘッジファンドなどの短期的買いだ。現在の株高は新雪であるヘッジファンドの一時的な買いが招いているものだと言い、「表層雪崩が起きる可能性がある」と話す。
また、根雪の部分にも不安がある。日銀のETF買いによる株価の下支えは「官製相場」の面があり、今後、金融引き締めに向かえば、買い入れ額は縮小する可能性もある。「今の日本の株式市場は日銀依存症。そういう意味では、リーマンショック時よりも今のほうが株式市場の脆弱性は大きい」と指摘する。
4-9月期の決算発表で企業業績予想の上振れが増えるとの期待も株高の一因と言われるが、豊島氏は「企業業績や日本株の割安感で正当化できるのは2万円まで。今の価格はバブル的要素がある」と言う。根雪と新雪が同時に崩れれば、前代未聞のショックに見舞われる可能性も否定できない。』
という記事。
実は金市場の構図も、中国・インドの長期保有現物買いという根雪と、NYの先物買いという新雪ドカ雪に分かれる。根雪と新雪の境目は1200~1250ドルの領域と見ている。1350ドルは先物主導で、そこから表層雪崩が起きて1300ドル台を割り込んだ。逆に金価格が更に下がると、徐々にだが根雪の部分が露出するような状況になろう。