豊島逸夫の手帖

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早朝のミサイル・アラート、やっぱり有事の金?

2017年8月29日

金価格が1300ドルを超え、1320ドルに接近中だ。

昨晩のNY市場で1300ドル大台を本格的に突破した直後に、北朝鮮のミサイルが北海道上空を通過した。

結果的には、有事の金買いが1300ドル大台固めとなった感がある。もし、ミサイル発射なかりせば1300ドル台の攻防中であったろう。

筆者が繰り返し述べているように、有事の金買いは短命なので注意が必要だ。但し、今回は突発したタイミングが1300ドル台本格突破直後だったので、上値抵抗線をブレークするキッカケとなった。

現在進行中の金急騰劇には地政学的リスク以外にも重要な要因がある。人種問題に端を発するトランプ政権危機、米利上げ先送り観測(ドル安、金利安)、米債務上限引き上げ難渋・米国債デフォルトリスク(可能性は低いが)、NY株高値警戒感(株→金へのマネーシフト)、追い詰められたISの連続テロ不安などの要因が共振しているのだ。

一方、1300ドル超えでは中国・インドの現物市場は閑古鳥が鳴いている。現物買いのサポートはなく、先物主導で買われている。

今後、米国経済マクロデータの出方が良くなると、再び利上げ論が勢いを得て、ドル高・金安に急反転する可能性を秘める。

当面はトレンドフォローで強い地合いだが、米利上げは執行猶予で執行が遅れているだけである。

なお、今朝の朝日新聞朝刊に、優木まおみさんとの金対談が載っています。

2017年