豊島逸夫の手帖

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トランプ氏発言、ハネムーン相場から覚醒

2017年1月12日

トランプ氏記者会見でジャパンの名前が2回出た。貿易不均衡相手国として、中国、メキシコ、日本。そして最後に「ロシア、中国、メキシコ、日本は米国を尊敬するようになる。」これは日本がトランプ流に従うことを期待する発言だ。日米貿易摩擦の可能性・円安牽制を連想させる。外為市場は円高傾向に転じた。

トランプ経済政策のいいとこ取りしてきた株式市場は、保護主義の現実をつきつけられたといえる。
企業行動への介入も、標的として、会見開始後、いきなり、薬価をやり玉に挙げ、製薬業界に警告を発した。自動車から製薬業界と続き、米国の雇用を奪う企業は、どの業界でも容赦しない姿勢を明確にした。今後、この対象になり得る日本企業の範疇も拡大した。

そして、親ロシア、嫌中国のスタンスも確認された。現在進行中のロシア・ハッキング疑惑に関しては、総じて自国の情報機関よりロシアに融和的である。対して、中国のハッキングは、厳しい言い回しで非難した。南沙問題も「海の中の要塞」は許容しないこと、中国が米国の雇用を奪っていることなど、これまでの非難を繰り返した。

中国空母が台湾海峡を通過し、中国機が対馬海峡を飛ぶ示威行動が繰り返されているタイミングゆえ、中国リスクを意識せざるを得ない。

総じて、言い回しには、感情的表現が目立った。勝利演説のときの大統領らしい振る舞いとは対照的だ。ロシア・スキャンダルを突っ込まれ、むきになって言い返す如き言動は、不安感を誘発する。メキシコに壁を建てることも本気のようだ。

記者会見の場も、トランプ支持者に囲まれ、次期大統領の発言に拍手が送られるなど、かなり偏った仕掛けだった。ロシア関連で、当初はメディアの具体名を出さず、「偽情報発信するメディア」と強く批判したが、途中に思わずCNNと口走ってしまった。その後、CNN記者が執拗に質問を投げたが、声高に制して、答えなかった。今後も、ツイッター経由の意思表示が続くことを想起させる。

トランプグループの事業との利益相反問題について、担当弁護士に10分以上、延々と語らせたことも、肝心の問題を避け、時間稼ぎの印象を与えた。なお、娘のイヴァンカさんも、事業から関係を絶つことが強調された。身辺整理した彼女が、ホワイトハウスの司令塔ウエスト・ウイングで影響力を発揮することになりそうだ。縁故主義議論が強まろう。

総じて、トランプ相場も当初の陶酔感が醒め、現実を直視する段階に入ったことを感じさせる記者会見であった。

こうなると、金は買われやすい。1200ドル接近中だ。

今年に入っての金高は、上記のマクロ市場を見なければ、分からない。金に興味持つ人は、金市場しか見ない傾向があるが、それはあまりに見方が狭すぎる。逆を言えば、金は世界経済を映す鏡なのだ。

そして、今日の旨い物写真。

祇園「らく山」の昆布巻き。北海道の昆布の色が鮮やかに出ているね。これも職人芸。中味はアナゴ。そして、大根の炊いたん。

きれいな大根に、熱の通し方が抜群。余計な「遊び」しない、旬の素材の甘さを引き出すのも、料理人の腕。

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宵の帰り道、十日戎の「残り福」に寄ったよ。「優しくトントンと叩いて」祈念。

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今週はいよいよ本格的寒気団襲来。スキー場もやっと!本格積雪。だいぶスタートが例年より遅れた。トランプ氏の影響で時間もなかなかとれないのが恨めしや~~(笑)。

なお、トランプ記者会見の模様は@jefftoshimaツイッターに時系列で書きこんでますから参照のこと。

2017年