豊島逸夫の手帖

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バブル世代と氷河期世代

2017年10月3日

仕事柄、様々な世代の人たちに接することが多いのですが、特に氷河期世代の若手たちと話すとバブル世代との違いを痛感します。

およそ生まれてこの方日本経済はいいことがなく、バブルなどという「蜜の味」を知らない世代。デフレしか知らないからインフレといってもピンとこない。これからもいいことなんて無さそう、だからそれほど期待感もなく冷めている。セミナーで例えば、株でも金でも「どこまで上がるか。」ではなく「下がるとすればどこまで下がるか。」を聞いてくる。そもそも、派手に上がって儲かるなどという旨い話があるわけないから、基本的に「守り」の姿勢。

何か欲しいという物欲もバブル世代に比して希薄。

片やバブル世代は未だに「蜜の味」が忘れられない。いつかまた「イケイケ」の時代が来るはずと期待する。デフレの時代でもインフレを心配する。氷河期世代との違いが鮮明ですね。

振り返ってみれば、1980年にはドル金利が20%前後まで急上昇しました。それが今や名目金利がゼロ金利からマイナス、或いは、やっとゼロ金利から脱出。利上げと言ってもせいぜい2%から3%まで。一方、物価上昇率も1980年前後にはオイルショックの影響で二桁のインフレでした。だから名目金利は20%でも、インフレ率が名目金利を上回れば実質金利はゼロからマイナス圏になります。

翻って今は名目金利がゼロからマイナスだったりする。けれどデフレで物価が下がるような経済状況では、実質金利が1980年の名目金利20%の頃と変わらなかったりします。

そしてセミナー会場でもバブル世代は「ムンムン」ですが、氷河期世代にはそのムンムン感が感じられません。「自己防衛」とか「危機」というような単語に敏感に反応するのも氷河期世代の特徴です。ネット媒体でも、このようなキーワードを見出しに使うと氷河期世代からのアクセスが急増しますよ。

これからの日本はこの世代が社会のコアに入ってきます。そうなると世の中の景色も激変するでしょうね。

今日の写真は、裏磐梯の秋。今年は温度差が激しいから紅葉が綺麗になりそう。まだ始まったばかりだけどね。竜胆も咲いて秋らしい。今年の東北は夏がなくて、一足飛びに秋になったような感覚かな。

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2017年