2017年12月8日
ツイッター @jefftoshima で「あなたに100万円相当のボーナスあげます。選択肢は以下の4つ。但し受け取れるのは10年後です。1.ビットコイン 2.金 3.円紙幣 4.ドル紙幣。あなたならどうする」と問いかけたら、色々な書き込みがあって面白いよ。覗いてみて。
さて、金価格は1250ドル割れ。プラチナは900ドル割れ。パラジウムは1000ドル回復。昨晩は興味深いNY市場だった。
私の金価格予測のこれまでの公式発言は、昨日も引用した9月6日付け日経朝刊での年末1250ドル発言の後で「18年もFRBは金融引き締めを進め、引き続きドル高傾向は続く。来年には1200ドル割れもあり得る」これが9月6日時点。
そして現在発売中の日経マネー「金特集別冊」で来年についての発言は、亀井幸一郎氏、池水雄一氏の強気発言を受けて以下のとおり発言。
僕は弱気で下が1125ドル、上が1325ドル。来年は基本的にドル高と見ている。最大の理由はFOMCにタカ派が増えてイエレン色が弱まる。つまり穏やかな利上げをしていこうという考えが薄まっていくと考えている。あと、なんだかんだ言って、FRB、FOMCは、できるときに利上げして、次の不況に備えたいと考えていると思う。中央銀行の本来の役割である金利を通じて経済に影響を与えたい。つまり利下げという手段を残しておきたい。そういうバイアスがかかるのではないかと。米国経済そのものに対しても、僕はわりあいオプティミスティックで、トランプの減税を含めて、中間選挙が視野に入るにつれて、さすがに市場が望む法人税15%はないにしても、例えば35%の法人税が20%になれば、一株あたりの利益が10ドルから15ドル上がってしまう。既に株式市場はその辺りを見込んでいるのだけども、トランプの経済政策がまあまあ形になってゆくのが来年前半。具体的には、減税だわね、最大の問題は。それに海外からリサイクルしてくるマネーに対する課税。まとめて言うと、私は来年はドル高で円安は125円まで、利上げは3回あると見込んでいる。ただ、最大のunknownはインフレ率。いろいろ議論はあるけれど、こいつばっかしは、そう極端に上がるとは思えない。米国経済に疑念が残るとすれば、この部分。ただ、今のFRBを見ていると、世界の経済の自然成長に合わせた新たな金利水準、物価水準を前提にして考えているようだけど。そうそう一つ言っておくと、資産圧縮でバーナンキショックのようなことが僕は起こり得ると思う。特に来年FRBがトランプ色に染まるというか、FRBの政治的独立性が失われる。例えば今一番マーケットが嫌うのは、すでにイエレンさんが発表している圧縮ペースを加速するようなものなんだけども、そんなことをやると、僕は金は下がると思います。ここが亀井さんと決定的に違うところなんだけど。というのは資産圧縮やりすぎた場合の市場の反応はドル金利の急騰。それからドル価格の急騰。これは金にとっては下げ材料。だからAI運用で、リスクオフで瞬間的に金が買われたとしても、すぐにそこに人間の頭脳が入って、ドル金利、ドル価格の上昇を見れば、結局金は売られる。コアレンジとしては下が1200ドル、上が1300ドル。リスクレンジは、下が1125ドル、上が1325ドル。
引用が長くなったけど。ちなみに良き後輩の亀井幸一郎氏は1220ドル~1400ドル。池水雄一氏は1200ドル~1400ドル。両者とも、基本的に2018年は強気だった。
プラチナについては、私は18年強気に対して、亀井氏・池水氏は弱気。どこまでも、へそ曲がりな私(笑)。
なお、昨晩の金急落は、200日移動平均線を下抜けたことが大きな意味を持つ。NYの知り合いトレーダーが言っていたNow we have a new ballgameという呟きがやけに響く。