豊島逸夫の手帖

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歴史的な日

2017年7月7日

7月6日は歴史の教科書に残る日になりそうです。

日本とEUが経済連携協定(EPA)に合意した日だからです。

日欧間で最終的に関税がなくなる品目は全体の95%に達することになりました。世界の経済貿易の3割を占める一大経済圏が誕生するのです。

歴史的な意味は、やはりトランプ大統領の保護主義政策に対して、日本と欧州が団結してNO!を突き付けたこと。中国に「自由貿易の盟主」になられるようでは困った話ですからね。

日本側の事情としては、TPP11つまり米国抜きTPPを創設する流れ、そして中国主導の自由貿易圏RCEPに対抗する流れに合致します。

欧州側の事情としては、英国が離脱したEUの存在感が弱くなることに対する補強措置の必要性が挙げられます。

今日からドイツ・ハンブルクで開催されるG20になんとか間に合った形ともなりました。

安倍首相としては、都議選敗北の失点をなんとか挽回したい計算もあるでしょう。こういう政治的目的がなければ、もっと美しい話なのですけどね~。

そして、国民の立場でメリットは色々あります。

まずフランスやイタリアのワインに課せられる15%、または1リットル125円の関税が即時撤廃されます。

パスタへの関税(現行キロ当たり30円)、そしてチョコレートの10%関税を10年かけて撤廃します。

ハンドバッグ、革靴などへの最高30%の関税は「一定期間後」に撤廃となっています。

最後までもめたチーズ(現行29.8%の関税)も、3~5万トンの低関税枠を設定して、15年で枠内関税ゼロにします。ここは妥協の産物の匂いがプンプンですが。

それからイベリコ豚などの豚肉も、現行安い肉にキロ482円、高い肉に4.3%課税されていますが、段階的に撤廃・削減します。

次にEU側の関税ですが、最大案件の日本からの自動車輸入に対する10%の関税を発効後7年で撤廃することになりました。

自動車部品も3~4%の関税を殆どの品目に関して即時撤廃。

電気製品も最高14%の関税を多くの品目で即時撤廃。

というわけで、なんとかカタチだけでも合意に辿り着いたという印象ですが、とにかく大きな前進だと評価します。特に、私はパスタもチーズもチョコレートもイベリコ豚も大好物ですから(笑)。 今は禁酒中ですがワインも大好きです。いずれ再開するでしょう~~。

そして、いよいよG20ではトランプ大統領がプーチン大統領と初の会談。習近平国家主席とも主として北朝鮮について会談。前回握手しなかったメルケル首相ともにこやかに握手しています(笑)。

さて、どのような結果になるか。マーケットも今晩の雇用統計を含め注目しています。

今日の旨い物写真は、魚介類のアクアパッツァ、そしてエスプレッソのムースとアイスクリーム。

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ここのところ「糖質制限」を「規制緩和」(笑)して、減り過ぎた体重を戻しています。そういえば、日経日曜版に「糖質オフでもフルコース」という記事が今週載っていました。興味津々。やはり高血糖で糖質制限の人たちがいかに多いか、ですね~。

なお、同じ日曜版に知り合いの志田編集委員が「夏のジビエ」についてカラー写真付きで書いていました。ジビエも好物なので、これも興味深く読みました。コモディティー担当ですが着々と芸域を広げています~。

今晩は、良き後輩カメちゃんこと亀井幸一郎氏属するクルーの事務所が文京区に移転したので仲間内で引っ越し祝い会です。

2017年