2017年5月26日
こういう刺激的な見出しで、今月号の日経マネー「有事の金特集」のインタビュー。「私に金の話をさせると身も蓋もない話になるよ。」と前置きして語ったので、てっきりボツになると思いきや、そのまま載った(笑)。編集長後記で「金には何か人の心に訴える力があるような。‷嵐の夜に輝く‴のもその根源的な価値ゆえなのでしょう。」と記されている。
分かってもらえたみたいで良かった。「かのバフェット氏は金について、アフリカのどこかから掘り出し、別のところに穴を掘ってしまい込む。火星人が見たら奇異に思うだろう。というようなことを言ったといいます。」そうなんだよね。金くらい好き嫌いがはっきりしている資産は他にはないよ。特に株式投資している人のなかには、理屈抜きで金を受けつけられないタイプが結構いる。理論派でならすアナリストにもアンチゴールド派が多い。理屈で割り切れないのが金の「センチメンタルバリュー」だからね。そういうアナリスト氏でも、赤ちゃんが生まれたりすると、この可愛い子の将来のために金でも買っておくか、という気になったりするもの。
そして、同じ日経マネー連載コラム「豊島逸夫の世界経済深層真理」では「好転する海外要因 (日本株)2万円相場に現実味」と題する原稿。
月刊誌コラムは校了から発売日まで2週間くらいあるからヒヤヒヤだよ。時として書いたことが発売日には気の抜けたビールみたいになっていることもあるからね(苦笑)。
そして、気になるニュースはロシアゲート疑惑、捜査対象が大統領に最も近い政権幹部に及ぶとの報道が先週から流れていたが、それが娘婿で大統領高級顧問のクシュナー氏。本欄でもしばしば大統領が最も信頼する人物として紹介してきた人。くだんの報道が先週流れた時、クシュナー氏か、(ロシアから勲章を貰ったことがある経歴の)ティラーソン国務長官か、と思っていたけどやっぱり。。。ただ、罪に問われるということではなく、ロシアとの関係について事情聴取に応じるということのようだ。こういう具合に捜査進展とともに新たな材料が出てくるから「長期化」するのだよ。でも市場に待つ忍耐はない。利上げのほうが、やる、やらない、ではっきりするからそっちを見る。
それから、マンチェスターテロ事件の実行犯に関して、しきりにリビアの名前が出る。シリア・イラクを追われたISが移住している先のひとつがリビアだ。リビアからイタリアへ大量の移民を乗せた船の遭難事故も絶えない。原油市場でもリビア政情不安で価格急騰の局面もあった。
原油といえば、OPEC減産協定延長合意にも関わらず原油価格4%以上の急落。私はご存じのように原油については弱気派だから当然と思うけど。6か月とか9か月とか時限つき合意をなんとか繋いでいくのでは限界があるよ。そもそも原油市場の有力トレーダーたちとサウジアラビアはOPEC総会前に「情報交換会」をやっているから、この程度の下げは覚悟のうえ。
そしてNATOの会議に出席したトランプ大統領。NATO防衛費の72%を米国が負担していることを延々と演説。イギリス6.1%、フランス4.7%、ドイツ4.5%。もっと払え、君たちの国の防衛だろ、という感じ。集合写真を撮る時に、前の人を押しのけて自分が真ん中で皆を見渡す。これぞアメリカ・ファーストか。。。フランスのマクロン新大統領とも笑顔で握手対談。「最初っからルペン女史じゃなくて、君だと思っていたんだよ。」。あれーーそうだっけーー(苦笑)。
振り返って我が国を見れば、前文科事務次官氏、加計問題の文書存在認める。その数日前から同氏が新宿の風俗店に出入りしていたことが報道で流れていた。なにか、きな臭いね。情けないくらい低レベルの喧嘩合戦だけど。。。。