2017年9月8日
そして欧州市場では、昨晩ECB理事会後の記者会見で、ドラギ総裁が10月にもいよいよ量的緩和縮小に動くことを示唆した。同時に、ユーロ高過熱に対して異例の警告も発している。中央銀行総裁が為替相場に言及することは異例だ。しかし、通貨投機筋はドラギ総裁の牽制を無視して更なるユーロ買いに走っている。やや過熱気味だ。そのユーロ買いの裏にはドル売りがある。米国の長期金利は10年債で2%の大台すれすれまで低下しているからだ。ユーロ高・ドル安。そのトバッチリで円高に振れている。但し108円の壁は厚い。
金価格も1350ドル前後まで急反騰。これは有事の金買いではなく、ECB由来のドル安に反応した結果だ。24時間価格チャートを見れば、ECB理事会後に金価格が急騰している。
単なる有事相場から複合要因の金上昇となり、複眼構造で相場を見る目が重要になっている。
有事の買いも、ユーロ買い・ドル売りも過熱気味ゆえ、ひとたび反動局面となればその動きもきつくなろう。