豊島逸夫の手帖

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米国とメキシコの関係悪化、保護主義が原因

2017年1月27日


トランプ氏がメキシコとの国境に壁を作る大統領令に署名した。その建設コストは、当面は米国が立て替えても、いずれメキシコに払わせるという。
メキシコ政府は大反発。民間でも、米国製品ボイコットなどの動きが見られる。
米国とメキシコのトップ会談が予定されていたが、トランプ氏はキャンセルすると息巻いた。
そして、メキシコからの輸入品に対して20%課税するという。これで2兆円ほど調達できるので、壁の建設費用に充当できるという。
これは国境税による調整という税制が想定されている。メキシコからの輸入品には課税するが、メキシコへの輸出品は非課税というシステムだ。実は、この手法は、議会共和党の案で、トランプ氏自身は複雑すぎると呟いている。更に、メキシコからの輸入品に課税ということは、ウォールマートなどで売られているメキシコ製日用品の価格が20%上昇するので、結局、米国国民が負担することになる。


日本車への影響も懸念される。
例えば、トヨタの大衆車カローラはメキシコで生産され、高級車レクサスは米国で生産されている。ゆえに、20%課税が実行されると、米国内では、カローラとレクサスの価格がさほど変わらないような状況も考えられるのだ。


なお、このトランプ経済政策については、明日土曜日のABC朝日放送朝9時半からの90分情報番組に生出演して、じっくり説明することになっています。


金価格は1180ドル台まで続落。外為市場でドル高に振れたため。あいかわらず、日々のマーケット状況に影響され、小刻みな値動きが続いている。

2017年