豊島逸夫の手帖

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ほくそ笑む中国とロシア

2017年5月31日

G7タオルミーナ・サミットで顕在化したトランプ大統領とメルケル首相の通商問題に関する溝。トランプ大統領は帰国してもツイッターで更に追い打ちをかけるように「ドイツは悪い。」とつぶやいています。貿易黒字を貯め込んでいるからという例の問題。

メルケル首相ももはや米国に頼ることは出来ないとまで自国選挙民向けに言い放ちました。それもビールを飲みながら屋外テントの中でのスピーチで。これが欧州では波紋を広げています。特に「我が国(ドイツ)は、(アメリカファーストの)米国、(EUを離脱する)英国、そしてロシアとも友達づきあいはせねばならない。」と語ったくだりが反感を買っているのです。米国、英国と同列にロシアを並べるのか、という憤懣です。

既に、ロシアのプーチン大統領は、この亀裂を戦略的に利用するかのように欧州内部に切り込んでいます。フランスを訪問してマクロン新大統領と握手。そして総選挙の可能性が急速に浮上してきたイタリアの首相とも個別会談。明らかにクサビを打ち込んでいますね。

一方、トランプ大統領の通商政策に反発する欧州諸国は、反動で中国の一帯一路政策になびきそうです。更に中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)への関与も強めるでしょう。習近平国家主席にしてみれば、まさに漁夫の利ですよね。トランプ大統領も北朝鮮説得役として中国を持ち上げているので、AIIBも無視できない立場になったようです。

やはり、本欄に書いたようにG7タオルミーナ・サミットは、歴史的に国際舞台の潮の目の変化を映す場となったように思われます。

そして、金市場ですが昨晩はドル安(円高)に振れたのに、ドル建て金価格も下がりました。市況の法則から外れた動きですが、相場のアヤで時としてこういう現象は起きます。円建て金価格、プラチナ価格は急落しました。長い目で見れば、こういうタイミングは円建て価格に買いの値頃感を感じます。

それから6月2日に日経CNBCの昼エクスプレスに生出演して、株式市場日経平均2万円の見通しなどを語ります。今週5人の専門家が連日出演するシリーズで、私の出番は金曜日ということです。↓(プレミアウィーク、焦点 株2万円~いま必要な投資術~)

http://www.nikkei-cnbc.co.jp


今日の写真は裏磐梯の高原で採った立派なワラビ。さっそく茹でて食べました。美味!このところ、すっかり旬の山菜モード(笑)。

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2017年