豊島逸夫の手帖

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NY市場で存在感増す中国

2017年6月8日


FRBがバランスシート圧縮に動き米国債保有を減らす方向にあるが、問題は財務省の米国債発行は増加が予想されることだ。トランプ政権は債務上限引き上げ法案を議会で通し、大型減税などの積極的財政政策を出来るだけ早期に実現することを期待されている。経済成長による税収増加、環境関連などの歳出削減により財政均衡を計るが、市場は懐疑的だ。
そうなると、誰がどの程度の利回りでFRBに代わる米国債購入保有者になるのか。
この議論をNYで提起すると中国の名がしきりに出る。
中国人民銀行が新たな人民元設定基準を導入したことで、実質的管理相場の色合いが強まり、対ドル相場も強含みで推移している。市場では基本的に米国利上げによるドル高圧力への対抗策と見られている。中国からのマネー流出にも一定の歯止めがかかりそうだ。既に中国外貨準備も減少傾向から微増傾向に転じている。
このような市場環境で中国は一時売却していた米国債を再び増やすのではないか、との観測だ。但し、どの程度の利回りになるのか。金利波乱要因になりかねない。FRBは2013年5月のバーナンキショックの二の舞は避けねばならず、極めて慎重にバランスシート縮小を開始するスタンスだ。とは言え、積極財政、金融は正常化のポリシーミックスでは、いかに足元で金利低下傾向が顕著でも潜在的な金利急騰リスクは無視できない。
中国が「白馬の騎士」役を演じることになるのか注目されるところだ。


一方、中国人民銀行は近年外貨準備として金の公的保有を段階的に増やしている。その増加量はIMFにも申告されている。しかし、ドル建て金を購入することはドル売りとなるので購入ペースが鈍化していた。そこに人民元管理強化となれば、公的金保有増加を再開する可能性が強い。
NYの金市場でも債券市場でも、中国の存在感がじわりと強まっていることが感じられる。


さて、NYから帰国。今日はスーパー・サーズデー(Super Thursday)。
ECB理事会、コミー前FBI長官議会証言、そして日本時間金曜早朝に英国総選挙出口調査判明。それをまたまた東京市場が世界に先駆けまともに受ける巡り合わせ。
NYの連中に「いつまでNYに居るの?日本時間金曜朝には東京に居てよ(笑)、頼りにしているからね。」と言われ帰国した次第。今日も徹夜になりそう。機内で熟睡というか爆睡した。どこでも寝られるのが私の特技。明るくてもうるさくても、すぐに寝られてしまうので、この仕事に合っているのかも。さすがにメールボックスにいっぱい溜まってため息だけど。ツイッターで見張られているんだよね。帰国なんて呟くと、ドサッと来るから(苦笑)。


NYのホテルからジョン・F・ケネディ国際空港まではストレッチリムジン!


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私の金・日本株のアドバイスで儲けたヘッジファンドが手配してくれた。いったいどんだけ儲けたのか~~~。また7月に来てくれと言われたよ。

ヤンキースタジアムでマー君先発ゲームがあると誘われたけど、寒くて雨模様で止めたよ。結果はまたまた4点もとられて敗戦投手。失点6とか7とか続き、ちょっと休んだほうがいいかもね。ファンなので心配です~~。野球もメジャーを見ると、日本の野球がままごとみたいに見えてしまう。迫力の差。パワーの差。

東京は梅雨入りで蒸し暑いね~。NYでは寒くてセーターだった。

2017年