豊島逸夫の手帖

2021年10月29日

今日は長期的視点で金価格を見てみましょう。
ＫＩＴＣＯの１０年グラフです。

長期的には１６００ドル以上の価格圏は歴史的高水準です。
ギリシャ危機の時に当時史上最高値の１９００ドル台を付けましたが短命でした。
今回は一時２０００ドルを突破した後、１８００ドル前後で推移しています。仮に１６００ドルまで下落しても、まだ歴史的高値圏に留まると言えます。

一方、２０１８年の１２００ドル台から２０２０年に２０００ドル台までへの上昇過程は速かったですね。ここはスピード調整が必要かと思います。まさに今がその時。プロセスとしては徐々にレンジの底値を切り上げてゆく展開が予想されます。そして２０２３年には２０００ドル台の値固めが始まるでしょう。今年は年内に１９００ドルになっても維持できないと思います。一方１６００ドル台になればコロナからの経済回復の波で実需は増えるでしょうね。短期的乱高下を経て、やはりレンジが切り上がってゆくでしょう。それゆえ個人投資家の視点では投機的売買が誘発する価格変動に一喜一憂しないことが大切です。