豊島逸夫の手帖

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デルタ株の波紋、金反騰、アフガン情勢は

2021年8月16日

13日金曜日のNY市場ではミシガン大学消費者信頼感指数(8月)が70.2と2011年以来約10年ぶりの低水準になったことが大きな材料だった。事前予測81.2を大きく下回るサプライズ。

米債券市場で10年金利が1.3%台から1.2%台まで急落を誘発。外為市場ではドルインデックスが93台から92台へ急落。

金は1760ドル台から1780ドル近傍まで上昇。

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米国消費者はやはりインド型変異ウイルスの猛威にビビッて来たことが鮮明である。楽しみにしていた家族旅行がキャンセル。イベントにも規制強化。欧米大手企業では従業員にワクチン接種証明書を義務付ける動きが加速してきた。そのワクチンも所謂ブースター(3回目接種)が現実的となり、経済回復に冷や水。

このような理由で金価格が上がっても素直に歓迎できる気持ちにはなれないが、とにかく国際金価格は反騰傾向だ。

本日はアフガニスタンの首都カブールが遂に反政府武装勢力タリバンに制圧されたことが大きなニュース。今後米軍なき中央アジアという地政学的要衝を中国とロシアが掌握するのか、イスラム過激派の草刈り場となるのか、地政学的リスクとなり得る。中露対イスラム過激派、あるいは中国対ロシアなど、さまざまな対立を誘発しかねない。米国は9兆円相当という巨額戦費を投じたアフガンでの戦いに屈した結果になる。

市場の視点では、有事の金買いという流れにはなるまいが中東情勢に飛び火すると無視もできない状況だ。

2021年