豊島逸夫の手帖

  1. TOP
  2. 豊島逸夫の手帖
  3. バックナンバー
  4. FOMC前夜、金価格乱高下
Page3280

FOMC前夜、金価格乱高下

2021年6月15日

3280①KITCO.jpg
週明けからFOMCを睨み、国際金価格が乱高下している。KITCO24時間グラフの青線が先週金曜日。緑線が昨日から今朝の時間帯。1900ドル台から一時は1850ドルを割り込み、1860ドル台で推移中だ。
昨日も書いたとおり、1600、1700ドル台の下値を確認した上で、一気に1900ドルまで上昇した後の値固め・調整局面だ。もし、このまま2000ドルまで続騰していたならば、結局短期的逆V字型の相場になっていたであろう。
今回の下げはFOMCを控え、身辺整理の売りに尽きる。
特に米国先物市場で金の先物買い残高が減少中だ。
仮にテーパリング(緩和縮小)ともなればドル急騰、ドル金利急騰で金は短期的に売られるので、当面テーパリングリスク回避に動いて様子見の姿勢である。

しかし、量的緩和縮小の背景には経済の過熱・インフレリスクがあることを思えば、中期的にインフレヘッジの金買いは止まらない。
昨日も米国のカリスマ投資家ポール・チューダー・ジョーンズ氏が経済テレビ番組に生出演。NY証券取引所では「レジェンド」扱いで、同氏の一言で株価が動くほど。FOMCについて語り、もしパウエル議長がインフレは一時的ゆえ様子を見るとなれば、過熱するインフレが放置される結果となろう。そのインフレヘッジのため、ポートフォリオの5%ずつを金、ビットコイン、コモディティー、そして現金で保有して備えると述べた。ここでもビットコインが入ってくるのが昨年と異なるところ。ヘッジファンドは短期運用で長期投資の個人とは異なるので、このように資産運用配分を短期的に変えてくる。

なお、独コメルツ銀行は年内金価格2000ドルのレポートを出した。

さて、梅雨入りとなり、例年であれば筆者は札幌サテライトオフィスに移住するのだが、今年は「札幌に来ないでください」との北海道知事の要請もあり様子見。まぁ2回目のワクチン接種が終わった段階で考えるつもり。早く行かないと「旬のウニ」が終わってしまうとの焦りも強いが(笑)。昨年は札幌の鮨屋でウニを柵ごと豪快に食したものだが。お店側も漁業支援というキャンペーンでウニは気前よく大盛で供してくれた。一柵まるごと注文しても東京で鮨二貫分程度の値段。私は酒を飲まないのでお茶でウニを食するのだ!
なお、昨日江連裕子キャスターが「朝まで生テレビ!」風の作りのコマーシャル出演と書いた後で、写真アーカイブの中から筆者が同番組に出演した時の写真も見つかった。何と言っても相場の数字、特に日経平均が14900円!安かったねぇ。これ、英国のEU離脱決定時の臨時出演だった。ドル円は102円。円高と言ってもこの程度であった。円高と騒がれても結局大きな円高が定着することなく、今や円安気味に転じた。感慨深い。

3280②朝まで生テレビ!.jpg

2021年