豊島逸夫の手帖

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金、FOMCの前座で下げ、本番でやや戻し

2021年114

注目のFOMC。

その前座のような形で、NY午前中にISM景況感指数とADP民間雇用統計が発表され、どちらも非常に良い結果だったので、「これほど良ければ、過熱予防のための利上げを早めるかも」との観測から、金利を生まない金はKITCOグラフのようにドンと急落。

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その後、本番のFOMC声明文発表とパウエル記者会見では新味なく、やや戻して終わった。前座の影響の方が優った。

パウエル議長は具体的な利上げスケジュールについて一切言及せず。「生産制約由来のインフレに対して、FRBは抑える手段を持たない」と断言。「テーパリングは開始するが、利上げは全く異次元の問題」と明確に区別する姿勢。利上げへの条件(ハードル)は高いと強調したので、記者会見中にやや買い戻されたのだが、やはり金市場は利上げの呪縛から逃れられず。

寧ろFOMCより、金曜日に発表される雇用統計の方が想定を外れることも多いので、市場はFOMC以上に警戒している。FOMCは前座、金曜日の雇用統計が本場という印象。事前予測では50万人など、かなり良い数字になっているが蓋を開けてみないと分からない。

2021年