豊島逸夫の手帖

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ウクライナ問題、有事の金買いはあるか

2021年128

ウクライナを巡り、米ロ関係が緊張している。
米国側によれば、ロシアのウクライナ国境近くに17万の兵が集結しているという。ロシアにとってウクライナは黒海を通じて地中海に出る南下政策ルートにあり、地政学的に要衝の地である。2014年にはウクライナ東部に侵攻してクリミア半島を占領。ウクライナ東部も実質的に支配下に収めた。その時は国際金価格が30ドルほど上昇して「有事の金買い」と言われたが、案の定、長続きはしなかった。

当時のブログ(2014年3月4日付け)↓

https://gold.mmc.co.jp/toshima_t/2014/03/1577.html

昨日のNY金市場では今回も一部の投機筋がウクライナ問題を買いの口実として使っていた。

マーケット目線ではロシア産欧州向け天然ガスのパイプラインがウクライナ国内を通過していることが重要視される。ウクライナはパイプラインの「管理料」収入が貴重な財源になっている。ところがロシアから直接ドイツに天然ガスを輸送するために、ウクライナを通さずバルト海経由の直接パイプライン「ノルドストリーム2」が建設中だ。当然ウクライナは強い不満を抱く。現状でウクライナ経由の天然ガス輸送が遮断されれば、欧州の天然ガス価格に大きな影響を与えることになる。事実今年の天然ガス価格は乱高下して欧州ではエネルギー価格高騰が大きな問題となっている。

このような市場環境ゆえ、今回も金価格に与える影響は軽微でエネルギー価格変動の方に市場の注目は集まっている。

緊急のバイデン氏・プーチン氏のリモート形式会談も行われたが、両者とも譲れるはずもない。台湾問題同様に一触即発の危機だが、現時点で両国とも戦闘状態、或いは経済制裁の段階にエスカレートすることは絶対に避けたいのが本音だ。
強い語調の相互非難合戦が続くが結局プロレスごっこになろう。
とは言え、冬に入る時期ゆえ天然ガス供給をロシアに依存する欧州諸国にしてみれば気を揉む展開である。

さて、今日の写真は昨日からの続きで京都・祇園の「らく山」。まずは大根の炊いたん。

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旬の冬の甘味が詰まった大根を大将が絶妙な火加減で「炊いて」くれる。シンプルな一品だが基礎的な料理にこそプロの実力が出るもの。
そして北陸のカニをふんだんに載せた茶碗蒸し。

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最初に供されるので外気で冷えたカラダに心地よい。
3種盛りの左にある昆布巻きも尋常ではない。

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なんと3日かけて作る。口に入れるととろける。通常のお節になる昆布巻きと一緒にされたくないという感じ。右にあるのが鴨。冬初頭ゆえまだ若い鴨で肉の色が綺麗だ。テーブルに出すタイミングが難しく、2時間後には色が変わってしまうほど繊細。

久しぶりの「らく山」を堪能したよ。冬の第6波が来なければ、来月また来て、ここのお雑煮、かぶら蒸し、そして更に寒くなると更に育つ海老芋と大根を食したい。同じ食材でもシーズン中に「育つ」のだよね。夏に札幌サテライトオフィスに長期滞在した時、旬のウニが特に香るピークの1週間があったのを思い出す。

2021年