豊島逸夫の手帖

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米交流サイトマネーに「感染」か、変異種が貴金属にも

2021年2月1日

前回本欄の最後にこう書いた。

実にお粗末な陰謀説記事が日経電子版に載っていたので要注意。
「十億の銀行が実質的なインフレを補うために金と銀を操作している。銀価格は現在の40倍にあたる1000ドルを目指す。」
何も知らない一般読者は、金ってそんなものかと日経だから信用してしまう。日経に抗議した。

そして1月30日(土)日経本紙朝刊マーケット面には「NY銀 急騰 一時6.7%高に 「話題の株」の乱高下 飛び火」との記事が載った。お粗末な陰謀説の部分の言及はなく、まともな記事になっていた。
その内容は、
レディット上に「インフレ調整後の銀価格は25ドルでなく1000ドルであるべきだ」などと買いをあおる内容が書き込まれたことだ。
「銀は重量あたりの価格が安く、もともと投機マネーが流入しやすい」(日本貴金属マーケット協会の池水雄一氏)。
ゲームストップ株などの乱高下を受け、米ネット証券が一時取引を制限。これを機に個人マネーが銀など他の資産に一部移ったとの見方もある。
「厚みを増す米個人投資家の資金の一部でも流入すれば市場規模が小さい銀は急騰してもおかしくない」(マーケットアナリストの豊島逸夫氏)との指摘が出ている。
以上

年初16ドルだったゲームストップ株が、交流サイト個人連合の買いで300ドル以上まで暴騰するのだから、何が起きても不思議はない。とは言えさすがに銀が1000ドルまでとなると現実的には無いと思う。

金もドル高気味なのにNY金が上がって来たね(グラフ参照)。先週木曜日から金曜日にかけ、ポンと上昇している。

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なお、インフレ調整後の「金」価格は以前にも本欄で言及したことがあるが、1980年に付けた当時の最高値(名目)875ドルが、現価値では(実質)2800ドルになる。だから2000ドル台でも不思議ではない。因みにインフレ調整後とは、当該期間の物価上昇率を考慮してはじき出された実質価値で、名目価格とは異なる。
ところが同じ日経でも電子版記事のように理由が陰謀説に基づくとなれば非常に疑わしい内容となる。

なお、銀は過去にハント兄弟が買い占めた歴史があるが、金は流動性も豊富ゆえ、買い占めとか価格操作などあり得ない。とんでも本の世界の話。

私見だが交流サイト(レディット)マネーが標的にするならプラチナ2000ドルを狙う方が可能性は遥かに高いと思うけどね。

さて、週末はマガーリ@自由が丘から「お取り寄せ」の「パンツァロッティ」(揚げ風ピザ)。トマト味とかゴルゴンゾーラチーズ味と野菜味とか3種類。自宅でイタリアンのプロの味を楽しめて満足!マガーリも当面は「お取り寄せ」メニューをあれこれ充実させているので我が家でも利用している次第。スイーツ好きとして次回はタカさん(マガーリのシェフ)にデザートも考えてもらおうかな~~。

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2021年