2021年6月10日
衝撃的な数字であった。4月の米求人件数が、なんと930万人に達した。ワクチン接種が進み、経済が元に戻りつつある中、求人が急増している。人手不足なのだ。働けるのに就職せず、求職活動もしない人たちが、統計的に「失業者」扱いされ、雇用統計に計上されているのだ。なぜ?
まず、コロナを経て共稼ぎ夫婦のライフスタイルが変わった。子供の教育、子育て環境を重視して、郊外に引っ越し、生活費も安くなったところで、妻或いは夫のどちらかが離職して家事に専念する。結果的に労働市場への参加が減っている。
他の理由としては、ベビーブーマー(日本流に言えば団塊の世代)が退職して、感染を嫌い、再就職はしない傾向。失業保険増額(週に3万円ほど増加)により、まともに働くより実収入が多くなり、勤労意欲が減退。やる気満々なのだが、働きたい職業に求人が見つからず、自己研鑽している人たち(いわゆる雇用のミスマッチ)。
かくして事情はいろいろあるのだが、結果的に雇い主は給料を上げてでも労働力を確保せねばならない。この労働コストアップを果たして消費者に転嫁できるのか。これが今後の注目だ。賃金が上昇することでインフレが加速すると、これは一過性とは言えなくなる。
FRBパウエル議長は米国雇用状況が未だ回復していないので、超量的緩和やゼロ金利政策を続行する姿勢だ。
筆者が思うにヒョッとしてパウエルさん読み違えているのではないか。
前述のように労働市場が世代の若返りとともに質的に大きく変化しているのだ。それでも相変わらず単に月ごとの新規雇用者数とか失業率などを判断基準としている。
結果的にポストコロナ経済は質的な変化を伴い着々と形成されているのに、コロナ有事対応の超緩和金融政策は続行されている。
やがてパウエルさんがこの見誤りに気付いた時は、時既に遅し。慌ててバブル過熱化した経済に対して引き締め策転換を急げば、緩和慣れした市場は大混乱に陥る。
その場合、金はまず換金売りで売られるが、一巡すれば買い直される。
そのようなシナリオを今まとめているところ。
ところでワクチン接種したよ。なるほど翌日片腕が痛くて上がらない。いわゆる五十肩みたいな症状。でも今朝はケロッと治った。二回目の副反応はキツイらしいけど。
歩いて5分の近所の地域病院で接種。午後3時半の組で3時20分に着いて、接種後の経過観察15分を含め、3時45分には病院を出た。スムーズな流れ。区役所施設と異なり、医療に慣れているから、入り口で簡単なチェックがあり、赤色か青色のレッテルが携帯書類に貼られる。何か不安があれば赤組。私は青組。いきなり接種室に通され、プスッとやっておしまい。
結論はできれば近所のかかりつけ医とか病院がよさそう。大型会場も悪くない。ただ「予診」に時間がかかるようだ。
ふと見れば自宅近くになんと8か所もの診療所や医療施設があり、どこでもやってもらえる状況だった。日本はクリニックの数が多いと改めて実感。でもコロナ有事に対する対応はダメ。