豊島逸夫の手帖

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要人発言

2021年1119

国際金価格は1860ドル前後で一服。

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昨日はNY連銀ウィリアムズ総裁とシカゴ連銀エバンス総裁の発言があったが、いずれもインフレが想定以上に続いているが、来年にかけて経済データを見つつ、金融政策正常化に取り組むという内容。

今晩はクラリダFRB副議長の発言がある予定。

FRB次期議長人事発表が、当初「4日以内」とされ今週中にもと受け止められていたが「来週の感謝祭休日までには」に変わった。

バイデン大統領も苦渋の決断を強いられている。

インフレは庶民生活を直撃するので政治問題化する中で、パウエル氏、ブレイナード氏のどちらを選んでもインフレが悪化した場合、バイデン氏は「指名責任」を問われることになる。どちらになっても金融政策に大幅な変更はないと思われるが、誰がやっても海図なき航海を強いられる経済状況だ。インフレが問題視される状況でFRB議長人事を決めなければならない。ある意味ではバイデン氏は貧乏くじを引かされたとも見える。

金価格はドル、金利に反応したり、しなかったり、典型的な投機相場の様相だ。需給要因などは無視されている。そして相場の後講釈では何とでも言える。要人発言からも決定打は出ない。短期的には上昇モメンタムは続いているが、2022年にかけての方向性は未だ定かではない。

2021年