2021年10月25日
前回書いたブレークイーブンインフレ率(10年)、9年ぶり高水準の件は、その後フィナンシャルタイムズやウォールストリートジャーナルも報道したので、欧米市場でも市場を動かす材料となった。
しかもパウエル議長が供給サイド由来のインフレ傾向が長期化するとの見通しを述べたことで国際金価格は1800ドル超え。しかしインフレ長期化を認めればテーパリング終了から利上げ開始のタイミングも早くなる。そこで一転、金は売られ再び1800ドル割れ(KITCOグラフ参照)。
1800ドルの上値抵抗線の攻防を演じている。
11月に入れば早々にFOMCも開催される。利上げ議論も強まろう。
金市場の視点ではインフレヘッジとしての買いと利上げ嫌う売りとが交錯する展開だ。
マクロ経済の視点で最悪のシナリオはパウエル議長がインフレを抑制する利上げ政策に関して後手後手に回り、その後慌てて利上げペースを早めるシナリオだ。
インフレ長期化を認めつつ利上げは時期尚早とする姿勢を市場は警戒している。