豊島逸夫の手帖

2021年2月12日

「８割近くの日本人が五輪中止を望むと（海外では）報道されているが、日本株は現水準で織り込んでいるのか。」
「現政権の不支持率が支持率を上回るようだが、日本の政局いかに？」
「米国ではバイデン大統領が１１日にファイザー、モデルナから計２億回分の追加供給契約を取り付けたが、日本は明らかに出遅れている。日本企業業績好転を織り込み上昇した日本株だが、ワクチン接種が後手に回れば、その前提が揺れるのではないか。」

海外投資家の目が日本に向いてきているだけに質問の内容も厳しくなっている。
女性蔑視発言問題もバイデン政権下ではＥＳＧ投資対象として適格国と言えるのかとまで問われる。うっかり「風評被害」というような表現を使うとダイバーシティー感覚が疑われかねない。

総じてＮＹ市場ではセルサイド（販売業者側の日本株担当デスク、或いは顧客担当ディーラー）の日本楽観論に比し、バイサイド（投資家側）の「慎重論」との差が鮮明だ。

さて、貴金属市場ではプラチナの底堅さが目立つ。１２００ドル台。１８００ドル台の金の背中が遥かに見えてきた。
本欄でも述べてきたことだが、筆者はスイス銀行プラチナ担当ディーラーという職歴でプラチナファンなので、バイアスがかかっており、個人的見解開示は極力控えている。ネットセミナーの質疑応答で語る程度だ。プラチナ年内２０００ドルと以前にも「呟いた」が、その呟きに変化はない。でも直ぐに急落の可能性。投機需要が支える構造だ。話題の米国交流サイト系レディットマネーでも入ってくれば、６ドルのボロ株が４００ドルに変身する時代ゆえ、小さな市場の銀やプラチナは狙われやすい。もはや需給では説明がつかない水準。水素関連需要という「夢」を語れば、期待は膨らみ、投機的買いも誘発されやすい。米国では一人１４万円の追加個人給付金が近々配布される見込みだが、そのかなりの部分が投資に回ると思われる。
日本株もプラチナもその受け皿という点では同じ。

なお、今話題の「米国何でもお助けサイトＲｅｄｄｉｔ」の中の米国投資家交流サイト「ウォールストリートベッツ」に筆者もｊｔｏｓｈｉｍａというハンドルネームでアカウントを開設した。早速「Ｐｌａｔｉｎｕｍ　ｔｏ　ｔｈｅ　ｍｏｏｎ」とロケット絵文字とともに書き込み（笑）。プラチナ価格がロケットの如く月に向かって急上昇との意。ロケット絵文字と「月に向かって」という表現は同サイトで使われる典型的な書き込み用語だ。サングラスのお兄さん絵文字もこのサイトのトレードマーク。

それにしても瞬間的に１００くらいの投稿が世界中から集中して板はかなり荒れている。放送禁止用語も多い。筆者の書き込みも１分で埋もれた（笑）。

ハンドルネームを決める時、既に日本の姓名、或いは地名が殆ど使われていた。Ｔｏｓｈｉｍａという名前も誰かに使われていた。Ｊｅｆｆに至っては米国に多い名前ゆえ、当然単独では使えず。ｊｔｏｓｈｉｍａで登録したら即ＯＫだった。