2021年5月27日
米国の代表的医療誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」が、4名の医療専門家による「緊急提言、五輪参加者をコロナから守るためのリスク管理」と題する論文を25日に掲載した。米国が日本渡航中止勧告を発表した日でもあり、NYタイムズが東京五輪開催に批判的記事の中で紹介したことから、ウォール街でも話題になり論文コピーが市場内で転送され筆者にも届いた。
「IOCの開催決意は最善の科学的根拠に欠ける」と断じ、IOCのコロナ対策指針(プレーブック)を詳細に亘り批判している。なお、日本五輪組織委員会のプレーブックに関する記述はない。
具体的には、例えば表面の拭き掃除や検温は非効果的として、選手のPCR検査は「少なくとも1日1回必要」と表現。2回がベターと示唆している。選手の行動追跡もアプリでは不十分でウェアラブル(装着)機材でお互いの距離センサー付きを使用せよと述べている。スマホを持って競技する選手は極めて少ないという。長期に亘る場合には閉鎖された空間ではソーシャルディスタンス順守効果にも限界があると指摘。プレーブックは競技の感染リスクを低、中、高の3段階に分けるべきとも論じている。滞在空間もホテル、バス、カフェテリアはハイリスクとする。
他にも様々な点につきIOC指針と最善の対策を表で詳細に比較している。
更に、IOCが東京五輪延期を決めた2020年3月から日本のコロナ情勢は一変していることも記した。
NYタイムズの記事では代表者のスパロー医学博士が、バッハIOC会長によるオリンピック村の滞在者の80%が来日前にワクチン接種との発言に触れ「根拠の無い数字で希望的観測」とも語っている。
「(リオ五輪の女子体操で4つの金メダルを獲得した)バイルズ選手の活躍を見たくない米国人がいるだろうか。私も見たい。開催まで2か月を残す今、何ができるだろうか」とも述べ、WHOの元アドバイザーでもあったスパロー氏はWHOと五輪前に緊急会合開催も呼びかけている。
結論として、五輪中止が最大の安全策だが五輪の特殊性に鑑み、安全に集うのであれば緊急の対応・行動が必要と訴えている。
ウォール街でも開催には慎重派が多いが議論はヒートアップしてきた。
長文の英文だが参考資料は以下のとおり。
医療誌↓
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMp2108567
NYタイムズ↓
https://nyti.ms/34fXugL
金価格の方は今朝の日経朝刊マーケット総合面に1900ドル突破の記事あり。
筆者のコメントは「金は徐々に底値を切り上げている」。
昨晩も早速反落して1890ドル台だが急騰、急落を繰り返しながら、価格レンジは2000ドルに向け切り上がってゆくであろう。
大きく下がるとすればテーパリング決定のケースだが、その場合でも大きな下げは一時的となると見る。
これだけ市場内で侃々諤々議論されたテーマゆえ、もはや織り込まれたも同然だ。それでも名目金利が急騰すれば金には短期的投機的売りがかかりやすいということ。
昨日のスーパームーン皆既月食は曇りで見えず残念!在宅仕事だとお月見を楽しむなど、今までになかった反応が自然に出てきて自分でもビックリしているよ。自宅近くのお肉屋さんの揚げたてメンチカツにもはまった~(笑)。