豊島逸夫の手帖

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島根県知事発言と新会長選出、外国人投資家も注目

2021年222

世界の投資家が東京五輪をどう見ているか。日本株市場の事例。

「シマネ」とは日本のどこか?
外国人投資家からの意表を突く質問で、海外でも報道されていることを知った。確かに「島根県知事が聖火リレー中止を検討。日本国民の8割が反対している東京五輪開催に、地方知事からも初の反対の狼煙。」とやや刺激的に報道されていた。

日本株を保有、或いは保有を検討している外国人投資家にとっては気になるニュースだ。
これまで日本は「バブル破綻後、長期経済停滞で日銀超緩和策でも物価が上がらない国」とのレッテルを貼られてきた。しかし東京五輪開催というビッグイベントが発する高揚感が、その流れを断ち切るキッカケになる可能性が注目されてきた。直接的経済効果もさることながら、例え無観客でも開催されることに意義がある。されなければ長期停滞からの脱出は益々困難になろう。外国人投資家の典型的な読みであった。
それゆえ県知事の発言でも無視できなかったのだ。裏を返せば日本株への本気度を示す現象だ。本気でなければ一県知事の発言が注目されることもない。

そして橋本新組織委員長就任も「オリンピック開催直前のトップ交代劇」、「元オリンピック女子選手を選出」との話題性から欧米でも報道された。
外国人投資家も日本株にポジティブなニュースとして受け止めた。日本株を保有している投資家は安堵。
保有を検討している投資家からは「これで日経平均3万円台でも買える」との感覚が伝わってくる。様々な観点から吟味した上で「ジグソーパズルの最後が埋まった感じ。」というコメントには実感がある。

勿論、変異ウイルス感染拡大というリスクシナリオは残るが、メインシナリオでは「例え無観客で直接的経済効果が薄れても、日本株の上昇モメンタムは維持される。」との評価が浮上している。

2021年