豊島逸夫の手帖

  1. TOP
  2. 豊島逸夫の手帖
  3. バックナンバー
  4. テスラ社、ビットコイン含み益が本業を上回る日
Page3208

テスラ社、ビットコイン含み益が本業を上回る日

2021年224

23日ウォール街の話題はビットコイン相場の乱高下。5万ドルという高値水準で売りが先行。一時は18%前後急落して5万ドルを割り込む局面もあったが、その後大台は回復している。ビットコインが下がると金は上がる最新の傾向。金は1800ドル回復。但しマーケットのファンダメンタルズに特筆すべき変化はない。

ビットコイン下げのキッカケはテスラ社マスクCEOの「(ビットコインは)高い」との一言ツイートであった。そもそも同氏がビットコインを同社資産運用対象として認知したことが、今回の急騰劇のキッカケでもあった。マスクツイートがビットコイン価格の変動要因となった感がある。

更に、イエレン財務長官も22日ビットコイン相場過熱に警告を発した。
「極めて投機的。激しい価格変動により投資家が被る損失に懸念。ビットコイン売買に要するエネルギー消費も甚大。非合法取引決済に使われる恐れも。」と強い口調で語った。

とは言え、ビットコイン価格が5万ドル後半になれば、テスラ社の場合はその含み益が本業に拮抗するとの観測も出始めた。ビットコイン相場が同社株価に影響を与えかねない。既に23日には寄り付きで10%以上急落後、下落幅を2%まで戻すという乱高下を演じている。
テスラ社株価は米株価最高値更新のけん引役として注目を集めてきただけに、その変調は市場の心理的な高揚感に水を差す。

一方、23日の市場は金も株もパウエルFRB議長の議会公聴会(リモート形式)での緩和縮小懸念を一蹴する如き発言に支えられた。しかし長期金利急騰に対しては、さすがのパウエルマジックも神通力に欠ける。米10年債は飛び抜けて流動性が大きな市場ゆえ、FRBのイールドカーブコントロールも効かないのだ。

その10年債利回りは心理的節目の1.5%が視野に入りつつある。この「臨界点」を超えると「健全な経済回復を映す」(23日パウエル氏発言)良い金利上昇から一転、経済過熱が懸念される悪い金利高に変異する可能性がある。
金価格にとっても分水嶺。
ナスダックの異変は、その予告編とも見える。

なお、産経新聞社ニュースサイトにコメント。
【経済インサイド】エコノミスト「専門家ほど読み間違える」 3万円突破の株価も「新常態」に

https://www.sankei.com/premium/news/210221/prm2102210010-n1.html

それからYahoo!ニュースでコメント。
素人投資家たちが巨大ヘッジファンドに2兆円の損失を与えて大撃破! 米ゲームストップ株騒動を専門家が解説

https://news.yahoo.co.jp/articles/3b37d2f57b603fa66070bc8f3a3ce14f9aac4d0d

さて、人生でも最もおとなしい日々を過ごしておりまする(笑)。
ネット社会の今、マーケットが荒れて忙しくても、職場或いは自宅の仕事場は電話よりネットなので静かですね。以前であれば騒然となって喧騒に包まれたものですが、今は皆黙々とネット画面と対峙している。妙に静かなのだけど、目は血走っている。不気味な風景です。在宅テレワークの場合、電話よりネット主体で静かだと、家族が仕事していると思ってくれません。「昼間からボケッとネット見てないで、家事の手伝いでもせよ。」と言わんばかりの厳しい視線(笑)。

それでも最近、対面の仕事も復活気味で(これも気の緩みか)、たまに丸の内・大手町に出向くと、相手も「都心に来るの1か月ぶりです。」、「人出に酔いますね。」という感じ。特に渋谷の人出が多いね。昨日も駅近くの焼き鳥屋の狭い空間を外から見ると超満員で「密」だった。リバウンドリスクを実感。

なお、会社員の中でも、やっぱり「おじさん」たちが出勤して大部屋で群れる職場を好むとか。ネットを自在に使いこなせないと、自分一人が置いて行かれる気分で不安になるのか。。。

2021年