豊島逸夫の手帖

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やはり「金の威力」発揮

2021年7月26日

五輪開催。いきなりゴールドメダルラッシュ一色。特に10代前半からの若い選手たちの活躍が目覚ましい。本命視された「レジェンド」たちが計算違いで予選落ちしたりしている。

とにかく私もそうだけど、やっぱり日本人選手が金メダルを取れば興奮するし嬉しいよね。コロナ一色だった市場にも久しぶりの高揚感が感じられる。まさかそれで日経平均が上がっているわけでもないが、少なくともやれやれたまには相場モニター画面を離れて、テレビ画面で五輪中継でも見ようかというモードにもなる。NY市場でも米国人選手の活躍が専らの話題だ。私が知らない米国人選手の名前が次々に見出しとなって、ロイターやブルームバーグに流れるのもオリンピックならでは。

とは言え、いよいよ今週はFOMC。今回は特にテーパリングについての議論が深まりそうだ。重要指標である米国GDP発表も控える。
その中で金は1800ドル超えたところで不動の姿勢。膠着とも言われ、安定的とも言われる。膠着というのは短期投機家の視点。安定的というのは長期投資家の視点。

ここにきて案の定「米国財政問題」にスポットライトが当たってきた。所謂財政の崖問題について、イエレン財務長官が財政は危機的と語ったことで一気に材料視されている。とは言え米会計年度は秋に始まり秋に終わるので、この時期は季節的に財政が問題視されやすい。現段階では短期投機筋により囃されている感じだ。
と、取材があった公共放送には答えた。バイデン政権の超大型財政支出を考えれば、いずれ問題化は必至。低金利で政府の資金調達コストも下がっているので、財政規律が世界的に緩んでいることがリスク。

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2021年