豊島逸夫の手帖

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世界的商品供給制約、日本にも波及

2021年10月26日

セブンイレブンは鶏肉のからあげ棒の販売を順次中止。焼き鳥チェーンでは人気商品の鶏皮串を一人一本に。
タイなど、東南アジアでのコロナ感染症の影響で鶏肉の生産量、輸入量が大幅に減っているからです。
更に松屋は牛めし並盛を320円から380円に値上げ。
これは中国の牛肉消費増で米国産牛バラ肉が高騰したためです。
そしてケンタッキーフライドチキンはポテトの販売を一時中止の店も。コンテナ船不足による入港遅れが原因とされています。
さらにメルシャンも一部ワインの販売を休止。これもコンテナ船不足で原料用ワインの入荷停滞が理由とされます。
私の大好物である牛タン厚切りセットも何と600円値上げで2600円くらいとか。オーストラリアで労働者が足らず入荷不足らしい。コロナ前は仙台で対面セミナーがあると必ず行きつけの牛タン屋に寄っていたものです。

それやこれやで我々も世界的な「供給制約」の影響を日常生活で感じる展開になってきました。
この供給制約は本欄でも繰り返し書いてきたことですが、パウエルFRB議長が今最も持て余している問題。この異常現象はいつ終わるのか。当初は年内に終息見込みでしたが、今や来年も続くとの見通しが増えています。日米とも企業決算発表の時期ですが、社長の発言として供給制約によるコストアップが長期化の見通しと頻繁に語られています。

金市場でも供給サイド由来のインフレが長期化すれば、インフレヘッジの金買いが増えるとの発想になります。一方物価上昇を抑え込むためには金融政策を引き締めて利上げを急ぐかもしれません。これは金利を生まない金には強い逆風です。
この金の強い買い材料と売り材料が交錯しているので1800ドルを挟み乱高下が続いているわけです。
インフレを意識すれば年内1900ドル。利上げを意識すれば年内1700ドル。
いずれにせよ歴史的な高値圏に留まることに変わりはありません。

さて、今日の写真は秋田のおばあちゃん直伝の全て自家製きりたんぽ。これはお米から作るので時間がかかる。金市場とかブログどころではない(笑)。コロナ禍の「おうちごはん」ではメインのメニューに。そして頂き物の丹波黒豆と栗のセット。これがきりたんぽと相性が良い!

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2021年